2021年1月30日(土)「樹海村」

2021・東映、TBSテレビ、東映ビデオ、電通、アスミック・エース、山陽鋼業、ブースタープロジェクト、ダイバーシティメディア、全日本プロレス、竹書房、ニッポン放送、LINE、DLE・1時間57分

ビスタ・サイズ(映写機の左右マスクで上映、表記なし)/音響表記なし(公式サイトでは5.1ch)
(日PG12指定)(4D上映もあり、『HELLO MOVIE』方式によるバリアフリー音声ガイド、バリアフリー日本語字幕に対応)

監督:清水 崇
脚本:保坂大輔、清水 崇
撮影:福本 淳
出演:山田杏奈、山口まゆ、
   安達祐実、原日出子、ほか

公式サイト
https://jukaimura-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

人気Youtuberのアッキーナ(大谷凛香)は、ライブ配信で富士の樹海をリポートするが、異変が起こり、途中で配信が切れてしまう。それを見ていた響(ひびき、山田杏奈)は、樹海のことをネットで調べていると、姉の鳴(めい、山口まゆ)から、輝(てる、神尾楓珠)と美優(みゆ、工藤 遥)の友人夫婦の引っ越しの手伝いに行くと告げられる。翌日、姉妹で新居を訪れると、床下から不気味な箱が見つかる。


74点

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 堂々たる正統派ホラー映画。ハリウッド映画のように音で脅かすようなことはなく、ちゃんと怖い。しかも物語の構成がうまく、小さな話からどんどんエスカレートして行って、ラストにはトンデモ話になるという映画らしい映画でもある。その上、映画の中の疑問点や課題にもちゃんと答えを出している。やりっ放しは無し。ちゃんと完結する。ただ続編が作れるような終わり方にはなっているが。

 映倫の区分ではG指定だが、スプラッター的にかなり残酷シーンもあり、指がもげたり、人の上に人が落下してきてクラッシュするなどを特殊メイクでリアルに表現していて、気の弱い人は気を付けた方が良いと思う。かなり気持ち悪い部分もある。

 冒頭の國村隼と山下リオのコンビがまずわからなかった。何者なのか。車のボディに「樹海自殺パトロール」とか書いてあればわかったのに。さらにわからなかったのは原日出子演じる祖母。ボクはてっきり母親だと思っていた。少なくともスクリーンでは年老いた感じがない。母が安達祐実というのも、見えなくはないが、それでもやっぱり若いかなと。その年齢らしく見える人か、スクリーンに出てきた早い段階で「おばあちゃん」とか「かあさん」とか、ハッキリ呼んでもらわないと。

 そして画質が、邦画的というか、ビデオ的というか、あまり良くない。でもクレジットではデジタル・カメラのREDのロゴが出たから、決して悪くはないはず。あえてフィルムの質感を出そうとして解像度というかシズル感を落としているのだろうか。色が浅く、コントラストも低い。REDなのに。お金を取る商業映画では画質もそれ相応のものにして欲しい。基本、ボクはきれいな絵が見たい。フィルムの質感にこだわる必要はないと思うけどなあ。きれいな絵のほうが心に届くし、心に残る気がする。

 霊がゾンビ的なのもどうかなあ。洋画の影響を受け過ぎというか。小箱的なものというのも「へル・レイザー」(Hellraiser・1987・英)とか「魍魎の匣」(2007・日)、「死霊のはらわた」(The Evil Dead・1981・米)や、「スケアリー・ストーリーズ 怖い本」(Scary Stories to Tell in the Dark・2019・米/加/メキシコ)の本的なものなど、たくさんあるからなあ。影が木の枝になったり、木が動くというのも「怪物はささやく」(A Monster Calls・2016・英/西/米)とか、いろいろあるしなあ。ちょっと惜しい。

 それにしても、デジタル技術はどんどん進化している。日本のものもハリウッドに見劣りしない。不自然さがなく、まるで撮影したみたい。

 先行公開の2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、観賞券は当日の発売のみかと思っていたら、何と通常販売に戻っていた。そこでちょっと遅れたが2日前にネットで確保。当日はビルが開いて、トイレに行ってきたらすでに開場済みに。たぶん20分前くらい。最終的には200席に20人ほどの入り。先行公開があることを知らなかった(ボクも)人が多かったのでは。だいたい若い男性で、中高年と女性はそれぞれれ数人という感じ。8席あったプレミアム席には、女性が1人座った。

 シネマ・チャンネルのあと半暗になって、CM・予告からマナーがあって暗くなり、まぶしい足元注意、枠付きの映画泥棒、映倫と続いて、映写機の左右マスクで本編へ。

 エンド・ロールの後というか途中で映像があるので、あま早く席を立たないように。


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