2021年2月27日(土)「リーサル・ストーム」

FORCE OF NATURE・2020・米・1時間40分(IMDbでは91分、延長版100分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、田中武人/シネスコ・サイズ(上下マスクで上映、表記なし、IMDbでは2.39、ArriとSony)/音響表記なし(公式サイトでは5.1ch)
(米R指定)

監督:マイケル・ポーリッシュ
脚本:コーリー・ミラー
撮影:ジェイソン・クロザーズ
出演:エミール・ハーシュ、
   ステファニー・カヨ、
   ケイト・ボスワース、
   メル・ギブソン、ほか

公式サイト
http://klockworx-v.com/lethalstorm/
(情報少ない。全国の劇場リストもあり)

プエルトリコ、サンフアン。最大クラスのカテゴリー5とされる巨大ハリケーンが迫る中、警察官のコルディーロ(エミール・ハーシュ)は新人女性警官のペーニャ(ステファニー・カヨ)とともに、住民の避難を手伝うように命じられる。そして出かけようとした時、マーケットでトラブルの通報があったと無線が入り、対処に向かう。そこに向かうと肉を買い占めた男(ウィル・キャトレット)がいて、ちゃんと説明しないため連行することに。しかしハリケーンが来る前にペットに餌をやりたいというので、一緒にアパートへ向かう。するとアパートの管理人から、どうしても避難しない男がいるのでどうにかしてくれと言われる。その男は前の警察署長レイ(メル・ギブソン)で、医師の娘トロイ(ケイト・ボスワース)も手を焼いていた。そんなところへ、住人の1人が高価な絵画を持っているという情報を得たギャング団が侵入してくる。


75点

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 面白かった。設定は「ワイルド・ストーム」(The Hurricane Heist・2018・英/米)と似ているが、見せ方を工夫すればいくらでも面白く作れるという見本のような映画。嵐と強盗という点では同じだが、そこにつらい過去を持つ警官、手柄を立てて転属したい新人の女性警官、引退した頑固な警察署長、ナチかもしれないドイツ人の老人、ペット用に大量の肉を買い込む男などを組み合わせて、ハラハラドキドキの興味深い物語を作り上げたと。IMDbではわずかに4.5点だが、ボクは楽しめた。

 まあとにかく悪党が悪くて、恐ろしいところがいい。ダメ警官でも応援したくなる。このギャングのボスを演じたのはデヴィッド・ザヤスという人。悪役が多く、TVでよく見かける。なかなか迫力があって恐い。だから主人公がダメ警官でも立つし、一生懸命頑張るところが応援したくなるし感情移入できる。

 ただ、邦題がいかにもB級というパチ物的なものなので、それで避けた人も多いかも。リーサルって。致命的な嵐? ボクもこのタイトルじゃ期待できないと最初は見ないつもりでいたのだが、予告を見たら気が変わった。面白いかも。見て良かった。

 メインとなる男女の警官を演じた2人は地味というかあまりメジャーではない感じ。ただ住人として出てくる前の警察署長がメル・ギブソンで、娘で医師のトロイがケイト・ボスワースでなかったら、もっと地味で、見なかったかもしれない。スターってやっぱり重要なんだなあ。

 監督も、日本劇場未公開かネット配信作品が多いマイケル・ポーリッシュという人。ボクが聞いたことがあったのは「庭から昇ったロケット雲」(The Astronaut Farmer・2006米・米)だが、見ようと思ったのに小劇場での公開でやめていた。ドラマが多いような印象だが、アクションもイケるのかも。

 銃は、最初の銀行のシーンでギャングがP320のショート(M18)っぽいオートを、ボスがキンバーの1911オートを使う。警官はグロック。ちなみにコルディーロはサウスポー。ホルスターも逆仕様。ギャングたちはAR系の二脚、スコープ付きライフルと、たぶんSIGのSG552、レール付きAK74カスタム、そしてAKS-74U。前警察署長はシルバーのレール付きキンバー1911オート。ベレッタ92もあったかも。

 公開3日目の初回(と言っても11:00から)、品川の劇場はトイレから駆けつけたらすでに開場済みで、CM予告が始まったところ。スクリーンはビスタで開いており、すでに半暗。予告の最後に上下マスクの映画泥棒、暗くなって、映倫から映写機の上下マスクの本編へ。うむむ。


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