2021年2月28日(日)「ガンズ・アキンボ」

GUNS AKIMBO・2020・独/ニュージーランド/英・1時間38分

日本語字幕:丸ゴシック体下、アンゼたかし/シネスコ・サイズ(Arri、IMDbでは2.39、Red)/音響表記なし
(独16指定、日R15+指定)

監督・脚本:ジェイソン・レイ・ハウデン
撮影:ステファン・シューペック
出演:ダニエル・ラドクリフ、
   サマラ・ウィーヴィング、
   ナターシャ・リュー・ボルディッゾ、
   ネッド・デネヒー、ほか

公式サイト
https://guns-akimbo.jp
(全国の劇場リストもあり)

ゲーム会社のプログラマー、マイルズ(ダニエル・ラドクリフ)は、ネットのコメント欄に過激な書き込みをして日ごろの鬱憤を晴らしていた。しかしある日、実際に殺し合いをしてそれをライブ配信する『スキズム』にクソリプを書き込み、それが管理人の目に留まったことから、凶暴な一団に襲われる。そして気付くと両手に拳銃がボルト留めされ、次のスキズムで、人気ナンバー1の最強女殺し屋、ニック(サマラ・ウィーヴィング)と戦うことを強制される。


74点

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 うーん、すごい映画なんだけど、どうにも気分が良くない感じ。これだけ大暴れして、敵をやっつけて、ちっともスカッとしない。汚いし、グロくて、暴力満載、血まみれで、悪意も満載。それらにやられた。食あたり的な感じだろうか。良い人なんて1人もおらず、悪人か、悪人じゃないけど良い人でもない人しかいないのでは、と思える。これも気分が悪いし、応援できないし、感情移入もできない。あえて言うと痛快アクションの反対、不快アクションか。

 なにより主人公のダニエル・ラドクリフが演じているキャラクターが不快。無精ヒゲからして不快。もこもこの怪獣の足スリッパも不快、カラー・ブリーフも不快、部屋着のガウンも不快。

 さらにはヒロイン(?)の女の子、ニックスがまた不快。ほとんど色っぽさとかなく、ターミネーター的なただの不良。たぶんこのパンクなたぬきメイクを落とせば、きっと美人なんだろうけど(IMDbで見るとサマラ・ウィーヴィングはモデル系美女という感じ)、本作ではかなりヒドイ。ということは、役者だなあということになるのか。ピンクの髪の元カノ、ノヴァはきれいだった。ナターシャ・リュー・ボルディッゾという人で、オーストラリアの女優さんで、チャイニーズ・イタリアンなんだとか。テコンドーの黒帯だそうだが、本作ではアクションはなし。ちょっともったいない。

 不快な映画だが、ちょっとカメラを動かし過ぎで目が回るものの、撮り方というか見せ方がユニークで、酷いトンデモな話だなあと思いつつも、最後まで見てしまう。映画としては良くできていて、うまいんだろうなと。監督はニュージーランド出身のジェイソン・レイ・ハウデン。公式サイトによると、ウェタ・デジタルなどでVFXアーティストとして活躍したのだそう。なるほど、それで見せ方がうまいのか。初の劇場長編映画となる「デビルズ・メタル」(Deathgasm・2015・ニュージーランド/米)の監督・脚本で評価され、本作につながったらしい。とはいえ「デビルズ・メタル」は単館系の特集で上映されただけで、日本ではほぼ未公開に近いが……。

 銃は、ダニエル・ラドクリフの手にボルト留めされるのが1911オート。どうもこれは演技のじゃまにならないよう、ただのモックアップのようなものらしい。リング・ハンマーは起きておらず、動いた感じはなかった。撃つ時は電着などのプロップガンだったかも。ニックスが持っていたのは、スプレーでカラー・ペイントしたらしいロング・スライドのカスタム・グロック。ほかに、M&Pらしいオート、クリス・ベクター、タボール、M4、AA-12オート・ショットガン、デザート・イーグル、AK、MP5、G36C、そして銃じゃないがRPGまで登場。

 ケータイ、手で操作できないなら、Siriとかの音声アシスタントを呼べばいいのにと思ってしまったが、それだとギャグが成立しなくなるか。ちなみに、アキンボというのは英語で、特に女性が両手を腰に当てて足を広げ、挑発的なポーズを取ることだそうで、まさにニックスにピッタリ。映画ではガンズ・アキンボで二挺拳銃としている。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は14〜15分前に開場。ほぼ中高年で、若い人も少しだけいた。最初16人ほどいて、女性は2〜3人。最終的には88席に60人くらい、7割ほどの入り。今後増えるかは微妙。むずかしいかなあ。

 シネマ・チャンネルから半暗になり、非常口ランプも消え、CM・予告、英語のマナー、からくらくなって、映写機のマスクが左右に広がってフル・サイズになり、まぶしい足元注意、フル・サイズの映画泥棒、映倫と続いて、本編へ。


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