監督:本広克行 原作:笠原真樹「群青戦記」 (集英社・週刊ヤングジャンプ) 脚本:山浦雅大、山本透 撮影:佐光朗、的場光生 出演:新田真剣佑、山崎紘菜、 鈴木伸之、渡邊圭祐、 三浦春馬、松山ケンイチ、ほか |
古戦場跡地に立つスポーツ強豪校の星徳高校。ある日、学校が霧にようなものに包まれ、セミが大量発生し、雷が鳴り、血のような真っ赤な雨が降り出す。すると中庭にある霊石に落雷、あたりは真っ白に光る。光が和らいでくると、武者の一団が校庭にになだれこみ、殺戮を開始する。 |
大量殺戮シーンから始まる、思った以上の血まみれの映画。最初の武者はゾンビみたいで、もっとコミカル的なものかと思ったら、かなりの本格アクション。ただ設定はトンデモで、やっぱり雰囲気は「戦国自衛隊」(1979・日)。タイム・スリップの雷の部分はかなり「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(Back to the Future・1985・米)という感じ。狙ったのだろう。そこからコミカルになりそうなところ、ならない。たぶんそれで良かったと思うが、やはり鎧に槍や弓や刀vsバットとか木刀では、実写ではどうにも設立しない感じ。アメフトのタックルもなあ。 刀で斬られると血が噴く割に、鎧の上からの木刀のひと払いで敵が倒れるなんて! フェンシングの剣って先端がスイッチなんじゃないの? 使っていたのは細い刺す用だと思うけど、コレで横に払って(しかも鎧の上から)敵を倒せるの? リアルとファンタジーのバランスが……。そしてドローンと爆弾があるなら、敵の大将の上とか、ここぞというところに飛ばして爆破すれば終わりじゃない?とも思ってしまった。 最初のクレジットが英語で出たのは、かなり違和感があったが、海外セールスを狙ったものなのだろうか。それともその後の時代劇とのギャップを大きくするための演出なのだろうか。 演技的には、織田信長を演じた松山ケンイチと、徳川家康を演じた三浦春馬が良かった。それぞれクセの強い武将らしい感じが良く出ていたし、演技に迷いがない感じ。無理して高校生を演じている人たちより演技しやすかったのかもしれない。タイム・スリップにも関わっていないわけだし。あえてもう1人上げれば、顔があまりよくわからないが、家康に仕える本田正信を演じた高橋光臣が良かった。「ノーサイド・ゲーム」(TV・2019・日)とか「下町ロケット」(TV・2015・日)で強い印象を残した人。一方、女子はほとんど存在感なし。時代劇なので男の物語ということか。 銃は火縄銃が1挺だけ登場。1挺だけ? それもたった1発だけ発砲って、なんで? もっと出てきたり撃ったりしたら勝負にならないしなあ。このへんのリアリティは? 学校ごとタイムスリップしたのなら、先生は? 大きな岩も、残念ながら作り物にしか見えなかった。 公開9日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は15分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで幅広かったものの、いかんせん人気がないようで、2週目にして127席の賞スクリーンでの上映。まあ東宝映画だから松竹系の劇場ではこんなものか。というか、東宝の劇場はもっと小さいスクリーンだったが……。で、その127席に15人くらいの入り。女性は4〜5人。 CM・予告の途中で上下マスクの映画泥棒。暗くなってマナーの、映写機の上下マスクで本編へ。 |