2021年4月18日(日)「21ブリッジ」

21 BRIDGES・2021・中/米・1時間39分

日本語字幕:丸ゴシック体下、種市譲二/シネスコ・サイズ(IMdbでは2.39、Arri ALEXA)/音響表記なし(IMDbにもなし)
(米R指定)

監督:ブライアン・カーク
原案:アダム・マーヴィス
脚本:アダム・マーヴィス、
   マシュー・マイケル・カーナハン
撮影:ポール・キャメロン
出演:チャドウィック・ボーズマン、
   シエナ・ミラー、
   ステファン・ジェームス
   テイラー・キッチュ、
   J.K.シモンズ、ほか

公式サイト
http://www.21bridges.jp
(全国の劇場リストもあり)

アメリカ、ニューヨーク。深夜の0:13、元軍人のマイケル(ステファン・ジェームス)とレイ(テイラー・キッチュ)の2人組みが、ある組織の麻薬保管場所に侵入し強奪しようとするが、そこへNYPDの警官たちがやって来て鉢合わせ、銃撃戦となる。そして2人は7人を殺害、1人に重傷を負わせて逃走する。NYPD85分署のマッケナ署長(J.K.シモンズ)は、敏腕刑事のアンドレ(チャドウィック・ボーズマン)に捜査を命じるが、すぐにFBIがやって来る。そこで交渉の結果、朝の5:00までに解決できなければFBIが指揮を取ることになる。アンドレはすぐにマンハッタン島の封鎖を命じ、逃走車両を追うことにする。

76点

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 たった一晩を怒濤のように駆け抜けて行く逃走劇。しかも警官を多数殺害し逃走した凶悪犯を捕まえるため、「レインボー・ブリッジ、封鎖できません!」的発想で、マンハッタン島に掛かる21の橋全部と、トンネル、鉄道を封鎖し、地下鉄はループさせ、島を警官で埋め尽くすというんだからスゴイ。映画ならでは。そして、良いアクション映画の基本、悪役は徹底的に悪く残虐。そこにちょっとしたヒネリを追加しているところもミソ。面白いアクション映画を作り上げた。

 なんでも、公式サイトによれば、本作は主演のチャドウィック・ボーズマンが、犯人追跡のためマンハッタン島を封鎖するというアイディアにほれ込み、プロデューサーまで務めて映画化した作品なのだそう。そして2020年の8月にガンで亡くなっている。つまり本作は遺作ということ。それもあってか、本作のチャドウィック・ボーズマンの演技は気合いが入っているというか、魂がこもっているような感じを受ける。

 同様にいい感じなのは悪党のひとりを演じたテイラー・キッチュ。「バトルシップ」(Battleship・2012・米ほか)や「ジョン・カーター」(John Carter・2012・米)は正義の味方的なイケメン主人公だったが、どちらも残念な出来で、「野蛮なやつら/SAVAGES」(Savages・2021・米)あたりから違った方向へシフトして、「ローン・サバイバー」(Lone Survivor・2013・米/英)は等身大というか実話の映画化でリアルな感じで良かった。そして本作は2番手の悪役という感じながら、実に良かった。感情を持たないワルな感じが素晴らしい。恐い。それでいて戦友は命をはっても逃がすと。

 監督は、これまでTVで活躍していたブライアン・カークという人。ラストの壁越しの撃ち合いでは、弾丸が壁を貫通するなどなかなかリアルな設定。悪党の恐さも良く出ていたので、今後、注目かも。

 銃は、悪党の2人組みのテーラー・キッチュがCZスコーピオンEVO3とP320、ステファン・ジェームスがウージー・プロとP30。そしてNYPDの刑事はグロック。SWATはMP5とM4。悪徳刑事のバックアップ用アンクル・ホルスターの銃は2インチ・リボルバー。警官のポンプ・アクション・ショットガンはたぶんM870。意外にもロウ・レディではなくチェスト・レディを見せる。

 公開10日目の初回、日比谷の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は15分前くらいに開場。観客層は中高年がほとんどで、ほぼオヤジ。最初11人ほどいて、女性はオバさんが2人。その後、ちをょっと若い人や若いカップルも来たが、メインは変わらず。最終的には98席に35人くらいいただろうか。日曜日でこの入りはさみしい。スクリーンも小さいし。もっと入っても良い作品なのに。新型コロナのせいだろうか。

 CM・予告の途中で半暗になり、マナーのあと暗くなって、映写機のマスクが左右に広がってフル・サイズのシネスコになり、まぶしい足元注意から映画泥棒の映倫と続き、本編へ。


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