2021年4月24日(土)「るろうに剣心 最終章 The Final」

2020・ワーナー・ブラザース/集英社/KDDI/GyaO!・2時間18分

シネスコ・サイズ(表記なし)/ドルビー・サラウンド7.1ch
(IMAX版、4D上映もあり)(『HELLO! MOVIE』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド・聴覚障害者用日本語字幕付き)

監督・脚本:大友啓史
原作:和月伸宏『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』
   (集英社ジャンプ コミックス刊)
アクション監督:谷垣健治
撮影:石坂拓郎
出演:佐藤健、新田真剣佑、
   武井咲、青木崇高、
   江口洋介、有村架純、ほか

公式サイト
https://wwws.warnerbros.co.jp/rurouni-kenshin2020/
(全国の劇場リストもあり)

1879年(明治12年)、横浜の列車内で、内務省警視局の藤田五郎(ふじたごろう、江口洋介)によって、上海マフィアの雪代 縁(ゆきしろえにし、新田真剣佑)が、前の事件で志々雄真実(しおまこと)に武器や軍艦を売った容疑で逮捕される。しかし上海マフィアによってすぐに釈放され、その直後から東京が何者かによって砲撃され一般市民に大きな被害が出るとともに、「人誅」と書かれたビラがばらまかれる。

76点

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 ほとんどアクションで描く、圧倒的パワーを持ったスーパー時代劇。おもしろいなあ。ずっと見ていたい気になる。そしてカッコいい! 絵も力強く、映画らしく、きれい。しかも、終わり方が前編後編という感じはなく、引き継ぐ課題のようなものもない。スッパリ、キッチリ終わる。続く6月公開予定の次作の予告もない。その思い切りの良さも見事。ラストの号泣にはこちらも釣られそうになった。

 凄い映画だが、今回は小さなエピソードがなく、大きな事件だけを追う感じで、大味というか、感情が伝わって来にくいというか、世界へののめり込み度がいまひとつの感じはした。

 まあ、とにかく新田真剣佑がいい。「ブレイブ-群青戦記-」(2021・日)の高校生と同じ人かねえ。作品や監督によって輝き方がまったく違うということかなあ。「名も無き世界のエンドロール」(2020・日)は悪くなかったけど。本作では、とにかく悪役がみなすごい。ほぼイっちゃってる感じで、恐くて、何をするかわからない感じが素晴らしい。

 そして良いのは援軍。まるで騎兵隊のような登場の仕方とカッコ良さ。土屋太鳳の「江戸御庭番衆、巻町 操、参上!」(だったかな)とか、神木隆之介演じる瀬田宗次郎の「楽しかったです」なんて、実ににカッコよかった。気持ちイイ!

 アクションは相変わらずダイナミックで、斬新で、素早く、見事。撮影するのとても大変だったのではないだろうか。普通のドラマを撮るより何倍も手間と時間とお金も掛かるはず。大変な労力。それをあえ全編アクションで構成しようというのだから、並大抵の気力じゃないなと。スタッフ、演者共に素晴らしいパワー。

 アクション監督は、日本を代表するアクション監督といっても過言ではない谷垣健治。ドニー・イェンとよく仕事をしていて、つい最近も「燃えよデブゴン/TOKYO MISSION」(肥龍過江・2020・香)でアクションだけではなく、監督を務めている。ボク的には初期の「修羅雪姫」(2001・日)が強く記憶に残っていて、アクション監督だったドニー・イェンとともに、スタント・コーディネーターとして運動音痴っぽい主演の釈由美子を完璧にアクション女優に見せていた。「修羅雪姫」では谷垣健治とならぶアクション監督、下村勇二もスタント・コーディネーターとして参加しているから、やっぱりすごい作品だったなあと。

 銃は、上海マフィアのウーがS&WのNo.3リボルバーの彫刻入りシルバーを使っていた。ほかに部下がSAAも使っていたかも。警官隊と軍も出ていたかは、長いライフルを肩にかけていた。チラッと引きのカットだったため正体は不明。雪代の手下、鯨波は腕にガトリンクガンのような武器を付けていた。

 公開2日目の初回、混むかと思ったが、日曜から新型コロナ対策で劇場が閉まる可能性があったので、舞台挨拶の中継劇場を避け、ネットで予約受け付けが始まるのを待ってどうにか確保。最初はアクセスが集中して、なかなかつながらなかった。びっくり。当日は、新宿の劇場は全席指定で、15分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで幅広く、男女比も半々くらい。下は父に連れられた小学生くらいの女の子。大ヒット映画はだいたいみんなこんな感じで幅広い。ただ、男のほうが年齢層は高い気がした。最終的には10席×2列のプレミアム席を含む407席に7.5割くらいの入り。この状況下でもこの入りはさすが話題作。プレミアム席も7席ほどが埋まった。

 シネマ・チャンネルからCMと続き、半暗になって予告からマナー、暗くなってまぶしい足元注意、迫力があって画質も良いから腹が立つフル・サイズの映画泥棒、映倫ときて、本編へ。


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