2021年6月5日(土)「コンティニュー」

BOSS LEVEL・2021・米・1時間40分(IMDbでは94分、豪版101分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、大城哲郎/シネスコ・サイズ(ビスタの上下マスクで上映、by Panavision、IMDbでは2.39、Arri ALEXA、レンズ)/音響表記なし(公式サイトではDCP 5.1ch)
(米TV-MA指定(Hulu)、日PG12指定)

監督:ジョー・カーナハン
脚本:クリス・ボーレイ、
   エディ・ボーレイ、
   ジョー・カーナハン
撮影:フアンミ・アスピロス
出演:フランク・グリロ、
   ナオミ・ワッツ、
   ミシェル・ヨー、
   メル・ギブソン、ほか

公式サイト
https://continue-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

元特殊部隊デルタフォースの隊員だったロイ(フランク・グリロ)は、毎朝、目覚めると殺し屋に襲われ、死ぬまで色々な殺し屋に襲撃され続けるという同じパターンを繰り返していた。多少のバリエーションはあるが、140回以上繰り返したものの、12時47分を越えることが出来なかった。そんな時「昨日」があったことを思い出す。昨日、ロイは別れた元妻ジェマ博士(ナオミ・ワッツ)が勤める研究所を訪れ、警備員として働くため履歴書を提出したのだった。その時、ロイはジェマの研究用に毛髪をとられるが、カメラで監視していた警備主任が現れ、募集はしていないと追い出されてしまう。ジェマは最後に「オシリス」を忘れないでと言うが……。

76点

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 B級的なタイトル、B級的なタイム・ループという設定、B級的なキャストのフランク・グリロとメル・ギブソン…… 見るのを止めようかとも思ったが、ナオミ・ワッツが出ているのと、監督がジョー・カーナハンなので、見ることに。IMDbの評価も6.9点と高評価だったし…… で、見て正解。良かった。ちゃんと大きなスクリーンで、大音響で見て満足。アクション満載で、思った以上にお金も掛かっている。重低音は体を揺さぶるほどの迫力。ただ。気になったのはHuluの文字。まさかネット・ムービー? IMDbを見ると劇場公開とネット公開と半々くらいの感じ。この作品は劇場でしょ。

 最初はゲームの映画化のように始まり、しかもよくあるタイム・ループなので、よくあるパターンかとも思ったが(主人公が元デルタだし)、途中から家族ドラマのようになり、そこから謎が出てきて、ミステリーの様相を呈し、ラストにはSFになってタイム・ループを止めると。よく出来ているなあ。しかも暴力満載で血まみれなのに、笑いを盛り込みながら感動的。ダメ男が自分を取り戻す。さすがジョー・カーナハン作品。普通の映画とはちょっと違う。トンデモ話だけど。

 主演のフランク・グリロは「アベンジャーズ/エンドゲーム」(Avengers: Endgame・2019・米)にも出ているとは言え、メインどころからはやや遠く、B級SF「スカイライン-奪還-」(Beyond Skyline・2017・米加ほか)の印象のほうが強く、B級の人という感じなのだが、本作はフランク・グリロが脚本を気に入り、自らプロデューサーも務めて映画化したらしい。公式サイトでジョー・カーナハンがインタビューに答えて「フランクのために書いた脚本だ」といっているので、クリス・ボーレイとエディ・ボーレイが書いた脚本に、プロデューサーでもあるジョー・カーナハンが手を加えたのかもしれない。そして、どうやらメル・ギブソン、ナオミ・ワッツ、ミシェル・ヨーが出ているのは、ジョー・カーナハンが監督だったからのようだ。

 監督のジョー・カーナハンは、トム・クルーズが製作総指揮を務めた「NARCナーク」(Narc・2002・米/加)が抜群に素晴らしく、低予算の泥臭い痛快アクション「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」(Smokin' Aces・2006・英/仏/米)も良かった。フランク・グリロとは暗い映画「THE GRAY凍える太陽」(The Grey・2011・米)で仕事をしている。

 銃は、M134ミニガン、P226らしいオート、RPG、P08、パイソン4インチ、サウンド・サプレッサー付きアドルフ・ヒトラーのイニシャル入り金めっきPPKカスタム、デザートイーグル、M4、ウージー、MP7など。ちゃんとリロードもやっている。

 そうえば、博士が発動させた装置が、昔NHKでやっていた「タイム・トンネル」(The Time Tunnel・1966-1967・米)っぽい感じがしたのは、ボクだけか……。そしてエンド・クレジットではカメラがAからEまでとなっていたが、同時5台で撮影していたということだろうか。

 昔のゲームに出てくるような雰囲気の文字によるクレジット・タイトルは、フィルモグラフで、デザイナーはアーロン・ベッカーという人。うまいなあ。「ドクター・スリープ」(Doctor Sleep・2019・英/米)とか「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey」(Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn・2020・米)のタイトルを手掛けている。

 公開2日目の初回、品川の劇場は全席指定で、当日のみのチケット販売。0時を待ってネットで予約。当日は30分前くらいに到着し、コーヒーを飲んだりして待っていると10分前くらいに開場。ファミリー層の多い劇場だが、このスクリーンの場合は中高年の夫婦が目立っていた。最終的には117席の千鳥座りに15人くらいの入り。男9人、女6人といったところ。

 スクリーンはビスタのフルで開いていて、明るいままCM・予告から、終わり近くに半暗になり、暗くなって映画泥棒、映倫と続いて、映写機の上下マスクで本編へ。


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