監督・脚本:大友啓史 原作:和月伸宏『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』 (集英社ジャンプ コミックス刊) アクション監督:谷垣健治 撮影:石坂拓郎 出演:佐藤 健、有村架純、 高橋一生、江口洋介、 北村一輝、ほか |
江戸時代末期の1864年(元治元年)、緋村剣心(ひむらけんしん、佐藤 健)は長州藩討幕派のリーダー、桂小五郎(かつらこごろう、高橋一生)のもと、京都で暗殺者「人斬り抜刀斉」として次々と幕府側の敵を斬り殺していた。そしてある夜、酔っ払いにからまれていたところを助けた若い女、雪代 巴(ゆきしろともえ、有村架純)に人斬りを目撃され、口封じのためそばに置くことにする。一方、幕府側の新撰組も強引な手法で討幕派を追い詰めて行き、ついに池田屋事件が起きる。
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いやあ、堂々たる本格的時代劇。もちろんチャンバラ、殺陣は、これまで通りとんでもないスピード感とアクロバティックな動きで見るものを圧倒するし、血も飛びまくりの血まみれだが、とんでもないモンスターのような敵が出るファンタジー的な部分は大幅に押さえられ、リアルに徹した感じ。笑いもなく、お笑い担当キャラもいない。ストーリー展開も実際の歴史に沿っていて、歴史上の有名人も多数登場する。それらを採り入れ、巧妙に構築されたありそうな物語を創造したと。本当にあった話だと信じてしまいそうな説得力。しかもこれで明治剣客浪漫譚にちゃんとつながる。 見るたびに監督は凄い才能だと思う。力強く美しい絵。ろうそく照明の絵もきれい。特に水墨画のようなモノトーンの冬の雪景色の中の真っ赤な血はショッキングで印象的。素晴らしい。そして力強いストーリー。小さなエピソードの積み重ねで、心情が良く伝わってくる。そして、それぞれの役者が、それぞれの役にピタッとはまっている(ように見える)。だからどんな悪役でも、ちょっとした役でも役者が生きている感じ。137分をまったく飽きさせない。 まあ、とにかく佐藤 健がいい。言うことなし。役のイメージにピッタリ合っている。もちろん有村架純はきれいだが、撮り方からいうと、佐藤 健とかはとてもいいのに、有村架純はもっときれいに撮れる気がした。もっと別なところにベスト・アングルがあって、そこから撮ると最高に美しいのに、やっていないような感じというか。この監督の興味があまり女優さんには行っていないとか……。 撮影は石坂拓郎という人。「るろう……」シリーズの他に、ジョン・ウー監督の「マンハント」(追捕・2017・中)や谷垣健治監督の「燃えよデブゴン/TOKYO MISSION」(肥龍過江・2020・香)を撮っている。 銃は、幕末の輸入小銃らしいものが使われている。 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、当日のみのチケット販売。0時を待ってネットで予約。当日は30分前くらいに着いて、17〜18分前くらいに開場。若い人から中年層くらいがメインで、高齢者は少ない感じ。時代劇という認識がないのか。でもあれだけヒットした映画の最終章だからなあ…… 最終的には499席の千鳥座りに60〜70人くらいの入り。9席×2列のプレミアムには3人ほどが座った。ただ、このスクリーンのこの回だけが空いていて、他のスクリーンや他の回では黄色表示の残席わずかだった。なぜなんだろう。とにかくラッキーではあったかも。男女比は4.5対5.5くらいで、やや女子が多い感じ。まあラブ・ストーリーだし。下は父に連れられた小学校中学年くらいの男子。母に連れられた男子もいたなあ。かなり血しぶきが飛び、血まみれだが大丈夫か。なぜかG指定だが。 シネマ・チャンネルの後半暗になって、CM・予告が続き、マナーから(やってる最中にケータイいじっているヤツがいたが)暗くなって、TCXデモ、まぶしい足元注意の、スクリーン・フルの映画泥棒、映倫で、スクリーン・フルのWBの新ゴロの本編へ。 またまた下の4Dスクリーンの振動が伝わって来て、不快だった。 |