2021年6月19日(土)「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」

2021・松竹/日本テレビ放送網/ジェイ・ストーム/読売テレビ放送/イオンエンターテイメント/講談社/GYAO/札幌テレビ放送/宮城テレビ放送/静岡第一テレビ/中京テレビ放送/広島テレビ放送/福岡放送・2時間11分

シネスコ・サイズ(撮影機材の表記なし)/音響表記なし
(一部日本語字幕付き上映もあり)(『HELLO! MOVIE』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド・聴覚障害者用日本語字幕付き)

監督:江口カン
アクション監督:横山 誠
原作:南 勝久『ザ・ファブル』
   (講談社「ヤンマガKC」刊)
脚本:山浦雅大、
   江口カン
撮影:直井康志
ファイト・コレオグラファー:岡田准一
出演:岡田准一、木村文乃、
   平手友梨奈、堤 真一、
   山本美月、安藤政信、
   佐藤二朗、黒瀬 純ほか

公式サイト
https://the-fable-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

表向きは子供を守るNPOだが、実際はカモとなる過保護の若者をさらっては親から金をまき上げ惨殺する犯罪者グループのリーダーの宇津帆(うつぼ、堤 真一)は、車いすの少女、佐羽ヒナコ(さばひなこ、平手友梨奈)、殺し屋の鈴木(すずき、安藤政信)、新人の井崎(いさき、黒瀬 純)らと、次の標的をデザイン事務所『オクトパス』のデザイナー、貝沼(かいぬま、好井まさお)に決め、仕掛けを始める。『オクトパス』のアルバイト、実は休業中の殺し屋ファブルである佐藤(さとう、岡田准一)は、ヒナコが4年前の暗殺で巻き込まれ救えなかった少女であることと、宇津帆が標的だったが命令が中止となり殺さなかった相手であることを思い出す。

74点

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 まあ、相変わらずバイオレンス満載のリアルやくざ系アクションだが、面白かった。最後まで観客をまったく飽きさせない。次々と色んなことが起こる。ギャグも多く、たぶん前作より多い気がするが、やくざ系のバイオレンスと言葉などの暴力がリアルすぎて、単純に笑えない部分はある。このリアティはどこから来るのだろう。実体験?

 そしてもう1つ思うのは、これだけ大変で手間のかかるアクション映画を、よく作ったなあということ。細かくカットを割って、同じことを何度もやって、よく131分もの長い釈の作品を完成させたなあと。監督スタッフ、キャストの労力たるや大変なものがあると思う。うまく行かないことも多いわけで、よく最後まで根気よく撮り続けられるものだなあと。そこも素晴らしい。さすがプロ。

 ただ、残念なことに年末の公開を想定して作られているようで、話題がサンタクロースとか雪とかで、服装もダウン・ジャケットを着ていたりして、違和感はあった。まったく新型コロナのおかげでこんなことになるとは。

 殺陣は格闘技達人級の岡田准一がやっているというのだからスゴイ。実際の格闘技と、映画などのように見せる格闘技とでは違うわけで、役者の岡田准一ならそれができるということなのだろう。

 難しい歳ごろのティーンのつっぱった感じが素晴らしかった平手友梨奈は、欅坂46のアイドルとは思えないトゲトゲ感で、「さんかく窓の外側は夜」(2020・日)でもそんな雰囲気が良かったが、予告は見た「響-HIBIKI-」(2018・日)でも同様の感じ。うますぎてイメージが固定してしまわなければいいが。そして歪んだオタク的不気味な雰囲気が素晴らしかったのが、標的となったデザイナーの貝沼を演じた好井まさお。お笑いコンビ、井下好井で活躍しているそう。「ナミヤ雑貨店の奇蹟」(2017・日)にも出ていたらしいが、わからなかった。またパンクブーブーの黒瀬 純は恐ろしいことをさらりと普通に言う感じが怖くて印象に残る。

 銃はトカレフ(ちゃんとプレス・チェックしていた)、S&WのM439か459オートのサプレッサー付き、古いチーフ(シリンダーを振って入れるのはいただけない)、デリンジャー、ベレッタ92、レミントン700系サプレッサー付きスナイパー・ライフル、グロック、MP5、そしてファブルのモデルガン改造ナイトホーク・カスタム。S&WのM360もあったかも。銃器特殊効果はビッグショット、納富貴久男。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定の当日のみ販売で、0時を待ってネットで確保。ただ朝早いのですぐ起床……。17〜18分前に開場。観客層は若い人から中高年まで幅広かった。下は母に連れられた小学生の男の子。コメディの要素もあるとは言え基本ヤクザものなので、女性は2割ほど。そして女性のほうが若かった。これはどの映画でもそういう傾向だが。最終的は580席のコロナ座りに1/4くらいの入り。早朝なので、これはなかなかの入りでは。

 スクリーンはシネスコ・サイズで開いており、CM・予告の途中で半暗になり映画泥棒、映倫があって、マスクの注意から映写機のマスクが左右に広がり、フル・サイズになると暗くなり、マナーの後、本編へ。


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