監督:サイモン・マッコイド 原案:オーレン・ウジエル、 グレッグ・ルッソ 脚本:グレッグ・ルッソ デイブ・キャラハム 撮影:ジャーメイン・マクミッキング 出演:ルイス・タン、 ジェシカ・マクナミー、 真田広之、浅野忠信、ほか |
総合格闘家のコール・ヤング(ルイス・タン)は、実力を発揮できずなかなか勝てないでいた。そんな時、突然、氷を武器にする魔界のサブ・ゼロ(ジョー・タスリム)に襲われ、彼を監視していたジャックス(メカッド・ブルックス)に救われ、元特殊部隊の女性戦士ソニア(ジェシカ・マクナミー)に会うように言われる。どうにかソニアを探し当てたコールは、太古の昔から魔界と人間界の格闘トーナメント『モータルコンバット』が行われており、コールがその戦士のひとりに選ばれたことを告げられる。
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アメリカの格闘ゲームの実写映画化。なぜか日本の部分が力を入れて作られていて、それにより歴史を感じさせる重厚な感じにはなっている。ほぼ全編アクションで描かれているのはとても良いと思うが、せっかく格闘技の大会がメインとなっているのに、大会が描かれることはなく、その前に対戦相手を潰してしまおうというセコイ話になっているのが何とも残念。対戦ゲームなんだから、セコセコやってないで、正々堂々戦えよ、という感じ。 それにしても人間界チームが弱すぎ。どうみても魔界チームが強そうだし、戦っても魔界のほうが余裕がある感じで強い。この辺もなあ。ラストに形勢逆転するというカタルシスを得られるようにということなんだろうけど。そして何より、なぜ今リメイクなんだろう。「モータル・コンバット」(Mortal Kombat・195・米)と「モータルコンバット2(未)」(Mortal Kombat: Annihilation・1997・米)が過去にあるのに。良かったのは、タイトル前のアバン。日本での半蔵襲撃のシーン。話が進むごとにトンデモ話になっていき、戦いも荒唐無稽になり、酷くなって行く。クライマックスはとても残念なものに。正直退屈。別の人が監督しているのかってくらい。 キャラはゲームの関係もあるだろうが、敵の女性キャラはい感じだだった。ちょっと「ヴァン・ヘルシング」(Van Helsing・2004・米ほか)の匂いがしないでもない。口が裂ける感じもどこかで見たような。もちろん悪いのではなく、それにより不気味さがよりアップし、悪者らしさが出ている。 戦い自体は悪くないんだけど、スピード感というか、キレがイマイチかなあ。特に主人公のコール・ヤングが。実力はある人なんだろうけれど、ブルース・リーのように見せ方がうまくないというか、普通に見えてしまうところが残念。 真田広之はパターンという感じながら、さすがにうまい。アバンの日本でのシーンが良かったのはこの人のおかげかも。しかし印象に残ったのは、惨殺される妻の篠原ゆき子。「罪の声」(2020・日)にも出ていた人。なんだか悲劇のヒロインっぽい感じが実に良かった。 監督はオーストラリア出身のサイモン・マッコイド。公式サイトによると一流メーカーのCMを手掛けていて、本作が長編劇場映画デビューとなるらしい。うむむ。 武器は基本刃物(サイとかトンファも)だが、銃もちょっと出ていて、女戦士ソニアがケルテックのKSGらしいショットガンと1911オートを使う。 公開2日目、遅めの初回、新宿の劇場は全席指定の当日販売のみで、0時を待ってネットで確保。当日は10分前くらいに開場。観客層は中高年メインながら意外に老多め。前作を見た人たちか。女性は若い人が多かったが、数人。最終的には232席のコロナ座りはほぼ満席に。すごいなあ。というか、しばらく劇場が休館していたため、飢えていた人が多かったということかも。 |