2021年7月17日(土)「ファイナル・プラン」

HONEST THIEF・2020・米/・1時間38分(IMDbでは1時間39分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、安本煕生/シネスコ・サイズ(by Panavision、IMDbでは2.39、Arri ALEXA)/音響表記なし(IMDbではドルビー・デジタル、ドルビーATMOS、dts、IMAX 6-Track)
(米PG-13指定)

監督・製作:マーク・ウィリアムズ
脚本:スティーヴ・オルリッチ、
   マーク・ウィリアムズ
撮影:マイケル・P・ショーヴァー
出演:リーアム・ニーソン、
   ケイト・ウォルシュ、
   ジェフリー・ドリヴァン、
   ジェイ・コートニー、ほか

公式サイト
https://happinet-phantom.com/finalplan/
(全国の劇場リストもあり)

6年で8件の銀行強盗を成功させた“速攻強盗”のトム・カーター(リーアム・ニーソン)は、現金を隠すために借りた貸し倉庫屋でアルバイトしていた女性、アニー・サンプター(ケイト・ウォルシュ)と出会い、恋に落ちる。そして1年後、真剣に結婚を考え始めたトムは過去の犯罪を清算するため、FBIに電話し、現金の返還と自首を条件に、罪の減刑を求める。ところが、話を聞きに来たジョン・ニーブンス捜査官(ジェイ・コートニー)とラモン・ホール捜査官(アンソニー・ラモス)の2人は、貸し倉庫で現金を確認するとそのまま持ち逃げし、目撃者のアニーを殺そうとする。

70点

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 よくあるB級的なパターンのアクション映画。ただ主人公をリーアム・ニーソンにしただけという感じ。それでもスター・パワーで確かに面白さは出ている。このキャストでなかったら見なかったかも。

 たぶん、ラストの爆破装置のトリックのアイディアのみから話を作って行ったのではないかという印象。あとの設定や展開はそこに至るための後付けで、なんでもよかったのかなと。そんな感じさえしてしまう。あまりにもパターンで、簡単に先がわかる。ヒネリも何もなし。そのまま。

 そして、あまりにもFBIがバカすぎ。こんなFBIいないでしょ。ただの街のチンピラみたい。行き当たりばったりの思いつきの犯行で、頭が悪すぎる。FBIって、大卒でしかも弁護士並みの法律の知識が必要で、FBIアカデミーを卒業しなければなれないのでは? とてもそういう高等教育を受けた人物に見えない。そして設定もいい加減。FBIって捜査官が直接市民の依頼電話を、コールセンターみたいに受けるの? しかも、ちゃんとその電話の記録、メモすらとらず、忘れる? そして相棒も伴わず、単独で出向く? ストーリーの展開上、単独でなければならないわけだけど、あまりにご都合主義というか…… 「ターミネーター2」でT-1000を演じたロバート・パトリックはてっきり上司だと思ったら、なんと同僚で現場の捜査官。もう定年の歳じゃないの?(調べたら1958年生まれだから63歳) TV「バーン・ノーティス」シリーズのジェフリー・ドノヴァンなんて犬を連れて職場に来ているし…… あまりに杜撰なFBI像。小さな田舎の警察署のイメージ?

 この脚本を書いたのは、監督と製作も務めるマーク・ウィリアムズとスティーヴ・オルリッチ。「バッド・ガンズ(未)」(Bad Karma・2012・米/豪)という作品ではスティーヴ・オルリッチの脚本で、マーク・ウィリアムズが製作を務めている。IMDbではわずかに4.5点と言う評価。FBIの設定だけでなく、証拠となる現金の確認に立ち合わず、貸し倉庫の鍵を相手に渡してしまうとか、死んだかどうかの確認がいい加減とか、被害者が入院した病院に警護がついていないとか、穴だらけという気がする。ちょっと酷いのでは。

 銃は、CIAのセイフ・ハウスに隠してある銃がベレッタ92、若手FBI捜査官がP226R。ジェフリー・ドリヴァンが持っていたフロント・セレイション付き1911カスタムは、imfdbによるキンバーTLE IIだったらしい。ちゃんとプレス・チェックするなどは良かったんだけどなあ。

 公開2日目の初回、日比谷の劇場は全席指定で、21〜22分前に開場。観客層は中高年の、それも高がメイン。最初男性のみで、ギリギリに女性もぽつりぽつりと。どのスクリーンもほぼ満席で、本作も残席わずかの黄色表示だった。最終的には151席のコロナ座りに9.5割くらいり入りで、ほぼ満席。女性は1割ほどだった。

 新しいシネマ・チャンネルのあと、マスクと飲食注意で半暗になり、CM・予告からマナーと忘れもの注意で暗くなり、映写機のマスクが左右に広がってフル・サイズでまぶしい足元注意、映画泥棒、映倫と続いて本編へ。


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