2021年8月28日(土)「白頭山大噴火」

白頭山(ASHFALL)・2019・韓・2時間08分(IMDbでは2時間10分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、根本理恵/シネスコ・サイズ(Arri ALEXA、IMDbでは2.39)/ドルビーATMOS
(韓12指定)

監督:イ・ヘジュン、キム・ビョンソ
脚本:イ・ヘジュン、キム・ビョンソ、
   クァク・チョンドク、キム・テユン、
   イム・ジョンヒョン
撮影:キム・ジヨン
出演:イ・ビョンホン、ハ・ジョンウ、
   マ・ドンソク、ペ・スジ、
   チョン・ヘジン、ほか

公式サイト
https://paektusan-movie.com
(全国の劇場リストもあり)

北朝鮮と中国の国境にある白頭山が噴火、大きな地震が発生し遠く離れたソウルにも甚大な被害が出る。二次噴火も予想される中、政府は以前から白頭山の噴火を予測し警鐘を鳴らしていたカン教授(マ・ドンソク)に協力を要請する。するとマグマ溜まりは4つあり、4番目が一番大きく、朝鮮半島全体に壊滅的な被害が出る恐れがあるという。それを避けるためには、マグマ溜まりの近くで600キロトンの大きな爆発を起こしてマグマを逃がし噴火を押さえるしかないという。タイム・リミットは75時間。600キロトンの爆発には核爆弾が必要で、北朝鮮の施設にある核爆弾を使うしかない。そこで核兵器の場所を知っている北のスパイで、今は収容所に入れられているリ・ジュンピョン少佐(イ・ビョンホン)を脱獄させて案内させ、爆発物処理部隊が設置、爆発させるという作戦を決行することになる。そして特殊部隊と爆発物処理部隊からなる特別作戦チームが編成され、その日、出産間近の妻のため除隊予定だったチョ・インチャン大尉(ハ・ジョンウ)は、上司から強制的に爆発物処理部隊の指揮官として参加するよう命じられる。ところが、火山灰を避けて飛んでいたはずの輸送機が墜落。特殊部隊は全滅、爆発物処理部隊がすべてを行わなければならなくなる。

76点

前へ一覧へ次へ
 面白かった。ハリウッド並みの大スケール、冒険活劇。日本映画を超えているなあ。ただ、映画的にはほとんどハリウッド映画のパターンを組み合わせただけのようにも見える。ラストには感涙ものの結末が待っているが、それもやっぱりパターンで、予想通りではあるかなと。でも見せ方がうまく、緩急を採り入れながら、最後までぐいぐいと引き付けて飽きさせない。うまい。

 パターンは、ミッションを成功させるために罪人を脱獄させるとか、反目しあう主人公2人が、旅を続ける内に信頼が生まれ、最後には力を合わせてミッションを達成するというもの。そして、また、誰からも注目されないような科学者が主張し警鐘を鳴らしていたことが現実となり、それを解決するために奔走し、あらためて認められるというか雪辱をはたすというか、名誉を得るというもの。そして大災害による壊滅的被害を、たった1つのアイディアを実行することで見事に逃れるというもの。だいたいこんな感じか。「まずセフティを解除しろ」っていうギャグ?は聞き飽きたなあ。実際ありがちだけど。

 印象としては、「ダンテズ・ピーク」(Dante's Peak・1997・米)とか、「ザ・ロック」(The Rock・1996・米)などに雰囲気が似ている感じ。次々と想定しないことが起きて、それを1つ1つ解決しながらすんでいくと。だから全体の流れは想像できても、次にどうなるかはわからない。だからオモシロイ。

 主演のハ・ジョンウもイ・ビョンホンも魅力的で演技もうまい。ちょっとコミカルな部分も設定されていて、いい味を出している。ヤクザ的な役の多いプロレスラーのようなイメージのマ・ドンソクも、大学教授役はどうかなと思ったら、意外と違和感はなく、結構ハマっていた。コミカルな感じも良かった。

 監督のイ・ヘジュンは作品を見たこともなく知らないのだが、共同監督のキム・ビョンソは「神と共に」前後編(2017、2018・韓)や「PMC:ザ・バンカー」(Take Point・2018・韓)の撮影監督をしている人。どちらもハ・ジョンウ主演で、本作に通じる雰囲気がある。なるほど。

 銃は、M4、AK、MP5、HKのスナイパーSG1(PSG1じゃなかったような)、ベレッタ92、スチェッキン(ステチキン)、グロック、P320らしいオート、S&WのM&Pらしいオート、スタンガン(テーザー銃)など。

 公開2日目の初回、日比谷の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は20分前くらいに開場。観客層は中高年がメイン。女性は3割いたかどうか。オバさんの2人連れがポツポツいたが、かつての韓流ブームの時の名残だろうか。最終的にはTCX、395席のコロナ座りに8.5割くらいの入り。9席×2列のプレミアム席にも3人ほどが座った。

 10分前くらいからCM・予告が始まり、飲食OKのあと半暗になって、マナー、忘れもの注意から暗くなって、映写機のマスクが左右に広がりフル・サイズになってTCXのデモ、足元注意、フルの映画泥棒、映倫と続いて本編へ。


前へ一覧へ次へ