2021年9月15日(水)「スパイラル:ソウ オールリセット」

SPIRAL: FROM THE BOOK OF SAW・2021・米/加・1時間33分

日本語字幕:丸ゴシック体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(by SIM、IMDbでは2.35、Sony CineAlta、)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、IMAX 6-Trackも)
(米R指定、日R15+指定)

監督:ダーレン・リン・バウズマン
脚本:ジョシュ・ストールバーグ、
   ピーター・ゴールドフィンガー
撮影:ジョーダン・オラム
出演:クリス・ロック、
   マックス・ミンゲラ、
   マリソル・ニコルズ、
   サミュエル・L・ジャクソン、ほか

公式サイト
https://spiral.asmik-ace.co.jp
(全国の劇場リストもあり)

アメリカ、サウス・メトロポリス署の刑事、ジーン・バンクス(クリス・ロック)は、元警察署長マーカス(サミュエル・L・ジャクソン)の息子で、いつも単独行動で、独断専行。見かねたアンジー・ガーサ(マリソル・ニコルズ)署長は、警察学校を主席で卒業した新人ウィリアム・シェンクス(マックス・ミンゲラ)と組むことを命じる。すると殺人鬼ジグソウの手口と似たような殺人事件が発生、警察官が惨殺される。

70点

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 とにかく主人公のキャラクターが酷い。のっけからダメ。バカなの? 嫌なヤツで、とても感情移入できない。しかも甲高い早口が気に障る。タフでハードな刑事役はこの人には全然合わない。やっぱりコメディでしょ。これがまじめすぎて署全体から浮いていて、いじめられているようなキャラなら見方は違ったかもしれない。むしろ逆で、周りは皆まともな刑事なのに、コイツだけがカッコつけて独断専行、法も無視するようなアウトサイダー、警察ヤクザにしか見えない。しかも父が元警察署長? ダメだこりゃ。オールリセットって、これまではなかったことに、ってこと?

 しかもミステリーの謎解き部分が安直。最初から「コピーキャットのしわざ」と答えを言ってしまっている。そしてどんでん返しもなくそのまま。ピエロのキャラがブタになっただけで、「1」の面白さはなく、続編と同じただの残酷ショーになっている。プロデューサー、脚本家、監督といった製作者たちは皆サディストなのではないか、そんな感じ。厳し目のIMDbでは5.3点と、それでも高めの評価。サミュエル・L・ジャクソンが出ていることが驚き。出ていなかったら見なかったかも。

 死人からはぎ取った皮膚に刺青を入れて、ごまかすなんてことが出来るのか? 見分けがつかない? しかも劇中、映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」(Forrest Gump・1994・米)をディスりまくり。この映画を撮っておきながら? 自分が好きかって書きながら、何様?と思ってしまった。 ロバート・ゼメキス監督と何かあったのか。

 脚本は、2人ともリメイク版「ピラニア3D」(Piranha 3D・2010・米)の脚本を書いていて、確かほとんど話題にもならなかったのでは。ただ、単なる残酷ショーから脱却した「ジグソウ:ソウ・レガシー」(Jigsaw・2017・加/米)の脚本も書いていて、そこから本作につながったか。監督は「ソウ」シリーズの2〜4まで手掛けた人だそう。だったらダメでは? それ以降日本ではほとんどが劇場未公開になっている。

 銃は、なぜか今どきショルダー・ホルスターを使っている刑事たちがグロックを、元署長がM19らしい4インチを、SWATがM4を使用。

 公開6日目の平日、初回、新宿の劇場は全席指定で、前日にネットで確保。当日は15分前くらいに開場。やはり平日に来る人というのは、学生らしい若い人と、定年で時間のある高齢者がメイン。そこに平日が定休の人と、時間潰しにきたようなサラリーマンの営業風の人という感じ。女性はたぶん2割ほど。残酷スプラッターだからなあ。最終的には184席のコロナ座りに8割くらいの入り。このご時勢だからか、映画館はどこもたくさん人が入っている。基本、映画はしゃべらないからなあ。ここの劇場も平日にも関わらず、ほとんどのスクリーン、ほとんどの回で黄色の残席わずか表示。全回白で空いていたのは「シャンチー」と「スパイラル」のみ。まあ予想どおりか。

 CM・予告の途中、飲食OKのあと半暗になって、マナー、忘れもの注意から暗くなって映写機のマスクが左右に広がり、シネスコでまぶしい足元注意、フルで迫力の映画泥棒、映倫と続いて本編へ。


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