2021年10月3日(日)「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」

NO TIME TO DIE・2020・英/米・2時間44分(IMDbでは2時間43分)

日本語字幕:手書き風書体下、翻訳:戸田奈津子、監修:酒井俊之/シネスコ・サイズ(by Pnavision、IMAX、ドルビーVISION、IMDbでは2.39、Arriも)/ドルビーATMOS(IMDbでは、ドルビー・サラウンド7.1、ドルビー・デジタル、12-Trackデジタル・サウンド、Auro11.1、IMAX 6-Track、dts:Xも)
(英12A指定、米PG-13指定)(日本語吹替版、IMAX版、ATMOS上映、4D上映もあり)

監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
脚本:ニール・パーヴィス、
   ロバート・ウェイド、
   キャリー・ジョージ・フクナガ、
   フィービー・ウォーラー=ブリッジ
撮影:リヌス・サンドグレン
出演:ダニエル・クレイグ、
   ラミ・マレック、
   レア・セドゥ、
   ラシャーナ・リンチ、
   アナ・デ・アルマス、ほか

公式サイト
https://www.007.com/no-time-to-die-jp/
(情報少。全国の劇場リストもあり)

ロンドンのMI6の研究施設が謎のグループに襲撃され、寝返ったロシアの科学者オブルチェフ(ダーヴィッド・デンシック)と、開発中のナノ・マシンを使った殺人ウイルス“ヘラクレス”が消える。事態を重く見たCIAのフィリックス・ライター(ジェフリー・ライト)は、イギリスがまったく動かないことから、007を引退したジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)に協力を要請する。すると007を引き継いだ若い女性エージェントのノーミ(ラシャーナ・リンチ)がボンドに接触してきて、オブルチェフのことは忘れろと告げたことから、ボンドはフィリックスに協力することを決心し、まずキューバの女性エージェント、パロマ(アナ・デ・アルマス)とコンタクトを取ることにする。

82点

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 面白かった! スパイ冒険活劇を堪能した。いろいろ意見はあると思うが、ボク的にはダニエル・クレイグ作品の中で、最も007っぽい感じがした。絵もきれいでいかにも映画っぽく、カッコ良く、スケールが大きく、ハラハラドキドキで、次から次へと様々なことが起こり、ユーモアもあって、ラフ・ストーリーで、しかもダニエル・クレイグ最後のボンドで、感動的で、素晴らしい。映画としてのクォリティも高いと思う。この監督、脚本も書いていて、日系の人らしいが、かなりの才能と実力の持ち主なのでは。

 曲の使い方、サラウンド音響効果、カットやらセリフやら効果音のここぞというタイミングの良さ、これらも007らしさに貢献していると思う。そして007的秘密兵器、美しいボンド・ガールたち、カッコ良いボンド・カーとスリリングなカー・アクション、悪党はちょっとあっけないが、恐くて悪い……しかもドラマは感動的だがダークでもなく、湿っぽくない。007っぽいなあ。

 監督は、日系の人らしいキャリー・ジョージ・フクナガ。そのせいか本作に日本的要素があちこちにちりばめられている。素晴らしいジュブナイル的ドラマだったホラー「IT/イット“それ”が見えたら、終わり。 」(It・2017・米/加)の脚本を書いた人。TVの製作総指揮が多いようで、映画では、見ていないが文学作品の「ジェーン・エア」(Jane Eyre・2011・英/米)を監督している。またリアル志向で衝撃的だったTVドラマ「TRUE DETECTIVE/二人の刑事」(True Detective・2014・米)の最初のシーズンも監督している。その辺の評価が本作につながったのだろう。素晴らしい才能。今後も注目だ。

 仏版「美女と野獣」( La belle et la be^te・2014・仏/独/西)でベルを演じたレア・セドゥもよかったが、やはりCIAのパロマを演じたアナ・デ・アルマスが良かった。美人だし、カクテル・ドレス(?)で超絶アクションをこなし、ラストにボンドに「また来てね」というところなんか最高。「3週間のトレーニングを受けただけの新人」と言いながらバリバリ敵を倒していく。カッコイイ! これは殺陣師がうまかったということでもあるんだろうけど。「ブレードランナー2049」(Blade Runner 2049・2017・米/英/加)で美人のバーチャル恋人ジョイを演じていた。そして「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」(Knives Out・2019・米)でも印象に残った。

 ボンドにしても、ウサギのぬいぐるみをベルトにはさんで駆け回るボンドはカッコ良かった。いいなあ。

 エンディングの愛を歌う曲は、サッチモの「愛はすべてを越えて」で、「女王陛下の007」(On Her Majesty's Secret Service・1969・英/スイス)のエンディング・テーマ。これが効く。もともと良い曲だが、心に染みた。

 サラウンドも効果的に使われていた。音質も良く、立体感があり、よく回っていた。

 銃は、もちろんPPK。そしてVz58、ベレッタ92、G36系のカービンもあったような。M4、AK、P226、FNハイパワー、MP7、ボンド・カーにミニガン、MP5もあったかも。

 公開3日目、日比谷の大きいスクリーンの初回、フルの全席指定で、2日前にネットで確保。当日は20分ほど前に開場。観客のメインは中高年で、男女比は半々くらい。最終的にはフルの456席ほぼすべて埋まった。満席。10席×2列のプレミアム席は3席ほどを残して埋まった。その前のボックス席は見えなかったが、たぶん空いていたのは2席くらい。待たされたこともあってか、007人気は凄い。

 CM・予告の途中で飲食OKが出て半暗になり、マナー、忘れもの注意、オメガの腕時計のCMから映写機のマスクが左右に広がり、暗くなってTCXデモ、まぶしい足元注意、フルの映画泥棒、映倫と続いて本編へ。


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