監督・脚本:原田眞人 原作:「燃えよ剣」司馬遼太郎 (新潮文庫刊/文藝春秋刊) 撮影:柴主高秀 出演:岡田准一、鈴木亮平、 山田涼介、たかお鷹、 伊藤英明、柴咲コウ、 尾上右近、山田裕貴、ほか |
武州多摩郡石田村の土方歳三(ひじかたとしぞう、岡田准一)は、不良少年グループ「バラガキ」のメンバーで、ケンカに明け暮れていたが、長じて天然理心流の使い手となり、幼なじみの近藤勇(こんどういさみ、鈴木亮平)、メンバー唯一の武家出身の沖田総司(おきたそうじ、山田涼介)ら同門と共に、江戸で50指にも入らない天然理心流を広めるため、江戸へ出る。しかし門弟は増えず、道場で寝起きするようなありさま。見切りをつけて京へ行くと、政情不安で将軍警護のための浪士組が組織されることになり、土方、近藤、沖田らのグループは参加を決める。
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面白かった。素晴らしい大型時代絵巻的映画。大きな時代の流れを一望できる感じ。ザッと言えば、土方が仲間と江戸へ出て、その後、京の都で浪士組を経て新選組を組織し、函館・五稜郭での戦死までを描く。特に前半、戊辰戦争が始まる前までが良い。 とはいえ、NHKの大河ドラマにしても、だいたいは戊辰戦争が始まるまではドラマとして面白い。戦争が始まってしまうと、それは数と数の戦いになり、個人があまり立たなくなってしまう。戊辰戦争では銃がメインとなるため、新選組など刀をメインとした部隊の出る幕が少なくなっていくから、特にそうなってしまうのかもしない。歴史的な流れを追うだけのような形となり、感情を込めにくいので、構成上も駆け足で描かれているような印象。戦争映画作りの難しさがそこにある。本作は、大規模エキストラを使い、たぶん3D-CGもふんだんに使い、大きなスケールで描いているものの、同じ罠にはまってしまっている感じ。名匠、原田眞人監督をもってしても。 特に良かったのは、山田涼介演じる沖田総司の弟的なキャラクター、そしてアル中の悪党にしか見えない伊藤英明演じる濃いキャラの芹澤鴨、そして隊員の中で最長老らしいたかお鷹演じる六番隊組長、苦悩が良く伝わって来た尾上右近演じる会津藩藩主の松平容保、ちょっと危ないヤツの山田裕貴演じる徳川慶喜。みな良い味が出ていた。 銃は、いわゆる洋式小銃で、パーカッション式のようだった。ゲベールとかエンフィールドあたりか。土方の銃はコルトのパーカッション・リボルバー、1851あたり。ほかにダブル・アクションらしいリボルバーも使われていたような。銃器特殊効果はビッグショット納富貴久男。 公開5日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は17〜18分前に開場。平日のそれも朝一ということもあり、観客層は中高年の高寄り。最終的には407席に30〜40人くらい。それでもプレミアム席には2人ほどが座った。女性は1/4くらい。 CM・予告の途中でマスクの注意と飲食OKが出て半暗になり、非常口の注意が出てランプが消え、再びCM・予告から、マナー、忘れもの注意が出て暗くなり、フルのまぶしい足元注意、映画泥棒、映倫と続いて、本編へ。 |