監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 原作:フランク・ハーバート 「デューン 砂の惑星」(ハヤカワ文庫SF) 脚本:ジョン・スペイツ、 ドゥニ・ヴィルヌーヴ、 エリック・ロス 撮影:グレイグ・フレイザー 出演:ティモシー・シャラメ、 レベッカ・ファーガソン、 ステラン・スカルスガルド、 ジェイソン・モモア、 シャーロット・ランプリング、 ハビエル・バルデム、ほか |
10191年。惑星カラダンを支配するアトレデス家は、皇帝の命令により、砂の惑星デューンと呼ばれる惑星アラキスへ移住し、そこでしか採れないスパイス(香料)の安定した採取と支配を命じられる。しかしそれは皇帝の罠で、政治的に危険な存在であるアトレデス家の勢力をそぐためのものだった。そしてハルコンネン男爵(ステラン・スカルスガルド)が刺客を送り込んでくる。
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まさに堂々のSF大作という感じ。いかにもSFっぽく作られているし、スペース・オペラっぽいし、大予算が掛かっていそうだし、重厚で、絵は絵画のように美しく、それぞれのキャラクターも魅力的。そして悪役は徹底的に悪い。恐くて、恐ろしいし、2時間半の間、夢を見ていたような、どこか別世界へ行ってきたような気になる。すごい映画。冒頭、パート1と出たのには驚かされたが。 もうすっかりデヴィッド・リンチ監督版「砂の惑星」(Dune・1984・米/メキシコ)は忘れてしまって、どこが同じか、どこが違うかわからないが、印象としては違う映画のように感じた。そして「ブレードランナー2049」(Blade Runner 2049・2017・米/英/加ほか)のような世界観というか美の世界で展開する「スター・ウォーズ」のような感じもした。皇帝、帝国との戦い、声=フォース、サンド・ピープル…… しかし、それでも素晴らしいスペース・オペラに仕上がっていて、叙事詩的でもあって、見るべき作品。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督おそるべし。 俳優陣も素晴らしい。有名俳優が多数出演。特にティモシー・シャラメはナイーヴな感じが見事だった。役にピッタリはまっている。TVから映画に出るようになったようで、クリストファー・ノーランの恐いSF「インターステラー」(Interstellar・2014・英/加/米)にも出ていたそう。ケイシー・アフレックの15歳の時を演じていたらしい。ヨーロッパの人かと思ったらNY生まれとか。「君の名前で僕を呼んで」(Call Me by Your Name・2017・伊/仏ほか)や、ボクが見た作品だとジーンと来る西部劇「荒野の誓い」(Hostiles・2017・米)にも若い兵士役で出ている。あまり注目していなかったが、今後は間違いなく注目だ。 そして良いのが、強い母を演じたレベッカ・ファーガソン。つい最近、悲しいSFラブ・ストーリーの「レミニセンス」(Reminiscence・2021・米)に出ていたばかり。出世作の「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」(Mission: Impossible - Rogue Nation・2015・米/中ほか)シリーズも良かったが、「グレイテスト・ショーマン」( The Greatest Showman・2017・米)とか、「ドクター・スリープ」(Doctor Sleep・2019・英/米)などの話題作にも出まくり。演技もうまいし、美人だし、素晴らしい。スウェーデン生まれと。 監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ。「複製された男」(Enemy・2013・加/西/仏)は酷かったが、「プリズナーズ」(Prisoners・2013・米)や「ボーダーライン」(Sicario・2015・米/メキシコ/香)は素晴らしかった。SFでも手腕を発揮し、ちょっと難しい「メッセージ」(Arrival・2016・米/加)や「ブレードランナー2049」(Blade Runner 2049・2017・米/英ほか)を撮っている。 なんでも、出来が良かった(世界中で人気となった)ので、10/27に正式にパート2の製作決定が発表された。これはやはり3部作になるのだろうか。とにかく楽しみ。 銃は、残念ながらSF銃で、いわばブラスター系か。 公開7日目の初回、銀座の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は15分前くらいに開場。トイレに行って入るとちょうどシネマチャンネルが始まるところ。観客層は、平日ということもあるのか、ほとんど高齢者。学生らしい若い人が少し。最終的には9席×2列のプレミアム席を含む395席に20人くらいの入り。プレミアム席は0で、女性はオバサン以上が5人ほど。平日の朝早くはこんなものだろう。 シネマ・チャンネルのあと、マスクの注意、飲食OKから半暗になって予告が続き、マナー、忘れ者注意のあと映写機のマスクが左右に広がってフル・サイズとなり、暗くなってTCXデモ、まぶしい足元注意、映画泥棒から映倫で、本編へ。 |