監督:ロベルト・シュヴェンケ 脚本:エヴァン・スピリオトポウロス、 ジョー・シュラップネル、 アナ・ウォーターハウス 撮影:ボジャン・バゼリ 出演:ヘンリー・ゴールディング、 アンドリュー・コージ、 ウルスラ・コルベロ、 平岳大、安部春香、石田えり、 イコ・ウワイス、ほか |
スネークアイズ(ヘンリー・ゴールディング)は、幼い頃に父を殺され、身寄りもなく、アンダー・グラウンドの世界のけんかファイトで生計を立てていた。するとある日、ヤクザのタカムラケンタ(平岳大)が現れ、スネークアイズの父を殺した男の情報と引き換えに、ある申し出をする。しばらくして、港でタカムラの組織の密輸の仕事をしていると、そこに潜入していたトミー(アンドリュー・コージ)が犬猿の仲であるケンタのいとこと判明、その脱出劇にスネークアイズも巻き込まれ、トミーの命を助けることになる。トミーはスネークアイズを日本へ連れ帰ると、自分の組織「嵐影」に入れようとする。
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これは……ほぼ忍者大戦。ハスブローのオモチャの世界観をベースにしたとはいえ、忍者好きの西洋人が、日本でももうほとんど作られなくなった忍者時代劇を、どうにかして現代に蘇らせた映画と言う感じ。壮大な大冒険物語になっていて、たぶんエキゾチックな魅力いっぱいで、ロマンがあって、しかも本当に日本で撮影しているというすごい作品。有名な城や寺院が実際に使われている! ただ、どうにも主人公のキャラが、超ハンサムのイケメンなのに、悪いヤツで感情移入しにくい。最後のクライマックスが迫っているというのに、まだちまちまと悪事を働くというダメダメの情けない男。最後に自覚して正義に目覚めて終わりって、映画としてどうなのか。つまりは続編を見よと? さらに、良いヤツが寝返ったり、そんなのばっかり。これでは基本、全員悪人ではないか。 ちゃんと日本で撮影したということに拍手を送りたい。撮影は大変だったことだろう。規制、規制で…… しかも新型コロナもあったはず。そして主要キャストに少しでも日本人俳優を使ったのも、日本人的には嬉しい。ただそれでも少ないが。 気になったのは、3つの試練というもの。よくあるパターンだが、それがあまり試練になっていない。洞窟に入って自分と対決する? これって「スター・ウォーズ」ではないか。だいたい、全体にそんな雰囲気が流れているけど。 そして、アクション・シーンでカメラを動かしすぎ。せっかくのアクションが良くわからない。躍動感とか臨場感とかスピード感を出そうとしたんだろうけど、動かしすぎで逆効果。目が回るし、動きがわからない。優勢なのか劣勢なのかもよくわからない。ちゃんとアクション・シーンを演じられない俳優や、アクション・シーンを演出できない監督がよく使う手。ここぞというところだけで使わないと。 監督はドイツ生まれのロベルト・シュヴェンケ。「フライトプラン」(Flightplan・2005・米)や「RED/レッド」(RED・2010・米/中)、そして「君が僕を見つけた日」(The Time Traveler's Wife・2009・米)、「ちいさな独裁者」(Der Hauptmann・2017・独/仏ほか)など多ジャンルで良作を撮っている人。一方で残念なSFシリーズの「ダイバージェントNEO」(Insurgent・2015・米/加)なども撮っていて、同じ人とは思えない感じ。本作は裏目に出たか。 銃は、USPっぽいオート、G36、デザートイーグル、IWIのジェリコらしいオート、パイソン4インチっぽいリボルバー、EOtech付きM4、P228らしいオート、ライトニング・ホールのあるスライドを載せたジェリコらしいオート、MP5、ミニ・ウージーなど。おまけでボウガンも使われていた。日本でのアーマラーにRyo Nemotoの名前があった。 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前のネットで確保。当日は12〜13分前に開場。観客層は、意外と中高年がメインのそれも高寄りで、若い人はわずか。女性は予想どおり少なく1〜2割。最終的には112席に6.5割くらいの入り。まあこんなものか。今後増えることもないだろうなあ。 10分前くらいから曲が流れ、シネマ・チャンネルへ。そしてマスク注意、飲食OKで半暗になり、CM・予告からマナー、忘れ物注意、暗くなって映写機のマスクが左右に広がり、フルのまぶしい足元注意、映画泥棒、映倫と続いて本編へ。 |