2021年11月27日(土)「ミラベルと魔法だらけの家」

ENCANTO・2021・米・1時間49分(IMDbでは1時間39分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、中沢志乃/ビスタ・サイズ(ドルビーVISION。IMDbでは1.85)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、ドルビー・サラウンド7.1、dtsも)
(米PG指定)(日本語吹替版もあり)

監督:バイロン・ハワード、
   ジャレド・ブッシュ
脚本:シャリース・カストロ・スミス、
   ジャレド・ブッシュ
声の出演:ステファニー・ベアトリス、
   ジョン・レグイザモ、
   マリア・セシリア・ボテーロ、
   ダイアン・ゲレーロ、ほか

公式サイト
https://www.disney.co.jp/movie/mirabel.html
(全国の劇場リストもあり)

コロンビアのジャングルの奥地にある小さな町の大きなお屋敷に住むマドリガル家は、3世代前にこの町を作り、神から与えられた才能(ギフト)である魔法の力を一族それぞれが持ち、その力を使って町の人々を助けることで平和に繁栄を続けてきた。ところが、マドリガル家の長女の娘、ミラベル(声:ステファニー・ベアトリス)だけは、いつまでたっても魔法の才能が芽生えなかった。そんなある日、ミラベルは魔法だらけの家にヒビが入っているのに気付く。そしてそれと同時に、一族の特殊な能力が弱まっていることを知る。

71点

前へ一覧へ次へ
 IMDbでは7.8点の高評価。しかしボクはそれほど楽しめなかった。絵は素晴らしい。それだけで感動的。動きは滑らかで自然だし、色彩も鮮やかでイキイキとしている。楽しさが溢れている感じ。3D-CGというより、生命感があるような。

 ただ、何が言いたかったのか、伝わってこなかった。これはボクが鈍感なのか、日本人には伝わりにくいテーマだからか。想像するに、何も特別な才能がなくても、誰もが特別な存在なんだよ、ということ? だとすると、これらのエピソードでは伝わらないなあと。結局、特別な才能がないと家も町も守れないのでは、と思ってしまう。せめて「ハチドリのひとしずく」のような感じでないとなあ。響かないエピソードだけでは退屈。ディズニー作品としては感動もなく、ちょっとギャグには笑ってしまったが、危うく眠くて落ちそうに。うーむ……。

 そして感じたのは、コロンビアという国が、ラテン系の明るく愉快なイメージだけで良いのかと。さらりと町が何者かに襲われた描写があるだけ。まあ童話、おとぎ話とすればそれでも良いのかもしれないが、ではなぜ舞台をコロンビアにしたのか、と。異国情緒、エキゾチックな感じは確かにあった。平和な南米リゾートにしばし旅をしたような気分にはなったかも。

 話も小さい。ほぼ、いち家庭内のお話。魔物を退治に行くわけでも、凶悪な敵と戦うわけでもない。ただ、魔法のロウソクが消えて魔法が無くなり、ロウソクがなくても家族が団結したらまた魔法が戻ったというだけのお話。結局、最後はやっぱり魔法かよ。おとぎ話だから?

 公開2日目の字幕版初回(といっても午後一)、銀座の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は10分くらい前に開場。入るとすぐにシネマ・チャンネルが始まった。もうちょっと早く入れないと、ほとんどの人が最初の方を見られないのでは? いったい誰のためのネマ・チャンネル? 人が誰もいないときに上映して、意味がある?

 観客層は若い人から中高年まで幅広く、男女比は4対6くらいで女性の方が多かったが、最終的には3.5対6.5くらいと女性が増えた。さすがディズニー。ただ本作は大人の期待には応えられていないのでは……。最終的には395席のTCXスクリーンに、8.5割ほどの入り。この人気は続くだろうか。9席×2列のプレミアム席もたぶんすべて埋まった。すごいなあ。

 マスクの注意から飲食OKが出て、場内が半暗になり、非常口案内で非常口ランプも消え、予告が続き、マナーから忘れ物注意、暗くなって枠付きの映画泥棒、映倫と続き本編へ。


前へ一覧へ次へ