2022年1月18日(火)「マークスマン」

THE MARKSMAN・2021・米・1時間48分

日本語字幕:丸ゴシック体下、高山舞子/シネスコ・サイズ(Panavision、IMDbでは2.39、Arri ALEXA)/ドルビー(公式サイトでは5.1ch、IMDbではドルビー・デジタル)
(米PG-13指定)

監督:ロバート・ロレンツ
脚本:クリス・チャールズ、
   ダニー・クラヴィッツ、
   ロバート・ロレンツ
撮影:マーク・パッテン
出演:リーアム・ニーソン、
   ジェイコブ・ペレス、
   フアン・パブロ・ラバ、
   キャサリン・ウィニック、ほか

公式サイト
https://marksman-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

アメリカ、アリゾナ州のメキシコとの国境近くに住む元海兵隊のジム・ハンソン(リーアム・ニーソン)は妻に先立たれ、1人で牧場を守っていたが、銀行から立ち退きを迫られていた。そんなある日、国境を越えてきた母親ローサ(テレサ・ルイス)と11歳の息子ミゲル(ジェイコブ・ペレス)を見つけるが、追っ手のカルテルのマウリシオ(フアン・パブロ・ラバ)たちがやって来て撃ち合いとなり、パトロール用に持っていたライフルで応戦、追い払う。しかし母親が撃たれ、ミゲルを頼むと札束の入ったバッグとメモを渡して死んでしまう。いったんはミゲルを国境警備隊に勤める義理の娘サラ(キャサリン・ウィニック)に預けるも、メキシコに送還されることを知り、そのままではカルテルにつかまってしまうと、救出することにするが……。


74点

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 コテコテのB級アクションという感じ。IMDbでは5.6点の低評価。でもボクにはハマって、面白かった。楽しめた。たぶんラストのラストの描き方に賛否あるのではないかと。

 ほぼB級のパターンの設定、展開という感じながら、主人公は結構世の中と関わって生きていて、孤高の隠れたヒーローという感じではないところがイイ。そして、とにかく悪党が徹底的に悪いヤツで、簡単に人を殺してしまうような恐ろしい男というのがイイ。恐くてぞっとするようなヤツ。こんなヤツに追いかけられたくはないと思わせる怖さ。この敵役が恐いことで物語は盛り上がる。どうやって逃げるんだと。しかも単なる筋肉バカではなく、腕っ節も強いが、ちゃんと頭を働かせて、相手の行動を読みながら追い詰めてくる。ただ、ラストの主人公との対決では、その強さが突然減少してしまう。人質の子供の陰に隠れたり、情けなくなる。もっとガッチリ戦って欲しかったなあ。

 どうしてもクリント・イーストウッドの「クライ・マッチョ」とダブるところがあって、描き方の違いを細かく分析してみると面白いかもしれない。ちなみに少年と2人で泊まるモーテルのTVで流れているのは、イーストウッドの「奴らを高く吊せ!」(Hang 'Em High・1968・米)らしい。うーむ、「クライ・マッチョ」を意識していたんだろうか。

 なんと監督のロバート・ロレンツは、公式サイトによれば「マディソン郡の橋」(The Bridges of Madison County・1995・米)で助監督としてイーストウッド作品に関わり、その後ほとんど作品をプロデュースしているんだそう。そしてイーストウッドが主演したメジャー・リーグのスカウトマンを描いた「人生の特等席゛(Trouble with the Curve・2012・米)で監督デビュー。なるほどなあ。

 面白かったのは、ガソリン・スタンドでのやりとり。ガソリン代をカードで支払って、地図を買おうとすると、店番の若い女の子は、ケータイで調べればわかるから地図は置いてないという。主人公はケータイを持っていない。だから公衆電話からボーダー・パトロールの娘に電話する。どうにか地図が載っているガイドのような本を見つけると、こんどは値札が付いておらず、あげるわ、と。なかなか感じの良い子。でもギャングはカードがここで使われたことを突き止め…… 

 銃は、メキシコのギャングがM4カービン、AK、AKS、追っ手のリーダー、マウリシオはHKのVP9らしいオート。主人公は最初M1A(M14の民間バージョン)と1911オートを持っている。国境警備隊(ボーダー・パトロール)はグロック。主人公はギャングに銃を取られた後、ガン・ショップでベレッタ92とスコープ付きルガー・ミニ14を現金割引の900ドルで買う(安い!)。そして少年にベレッタ92で操作方法と撃ち方を教える。これが後に効いてくるわけだ。ラストのギャングはCZスコーピオンも持っていた。

 公開12日目の平日初回、といってもほぼお昼の回、新宿の劇場は全席指定で、前日ネットで確保。すでに上映回数も激減。当日は12〜13分前に開場。観客はほぼオヤジという感じ。最終的には73席に20人くらいで、若い人は2〜3人、女性は1か2人。B級アクションのパターンどおり。平日はこんなものだろう。

 シネマ・チャンネルは山崎紘菜に代わって新ナビゲーターの福本莉子が登場。山崎が初登場時はガチガチという感じだったのに比べると、堂々としていてベテランのような雰囲気。若いのにビックリ。最初は場内が明るくてスクリーンがよく見えなかったが、飲食OKが出て半くらいなって見えやすくなった。さらにCM・予告が続いて、忘れ物注意の後、暗くなって映写機のマスクが左右に広がり、フル・サイズでまぶしい足元注意、映画泥棒、映倫から本編へ。


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