監督:リドリー・スコット 原作:「ハウス・オブ・グッチ」(ハヤカワ文庫刊) サラ・ゲイ・フォーデン 脚本:ベッキー・ジョンストン、 ロベルト・ベンティベーニャ 撮影:ダリウス・ウォルスキー 出演:レディー・ガガ、 アダム・ドライバー、 アル・パチーノ、 サルマ・ハエック、ほか |
1978年、イタリア、ミラノ。運送会社の社長の娘、パトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)は、知り合いのパーティーで、グッチ家の四男ロドルフォ・グッチ(ジェレミー・アイアンズ)の息子マウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)と知り合い、たちまち恋に落ちる。そしてロドルフォの反対を押し切り結婚、マウリツィオは勘当されパトリツィアの運送会社で働くようになるが、パトリツィアはグッチ家への復帰を画策する。
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長い。が、ファミリーの歴史というか、ある期間を描くためにはこれくらいの長さは必要なのだろう。たぶん2時間とかにまとめるとディテールがなくなり、あらすじを追うだけになってしまう気がする。しかも冗長な感じはせず、濃密でびっしりと詰まった印象。そして上流社会はヘンなヤツばかりと思ってしまう。そこに一般庶民が入るとこんなことになるのかなあ。悪女を演じたレディー・ガガは美しく、演技も見事で、アダム・ドライバーやアル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズら名優と並んでも、ちっとも引けを取らないかなと。 ただ厭な世界で厭な話がリアルに描かれるので、まったく楽しくはない。上流社会が良いなあとも思えないし、なりたいとも思えない。むしろこんな世界は嫌だ。 よくできていて感情がよく伝わってくるので嫌な気分にはなる。そのへんをどう評価するか。実にありそうな話ではあるが、ラスト殺人にまでエスカレートするというのは理解しにくい。でも、あるのかなあと。日本でも暴力団に頼むとかあるかもしれない。あえて言えば、全編がイタリアなまりらしいが英語というのはどうなんだろう。外国語ができないボクにはどちらでも同じようなものだが……。 レディ・ガガの名演技は言うまでもないが、とにかく驚いたのは、パウロ・グッチを演じたジャレッド・レト。完全にハゲた中年太りのオヤジといったビジュアルだが、むしろヤセ型で、長髪のイメージさえある。4月に公開される「モービウス」ではガリガリのヴァンパイアのような主人公モービアスを演じている。とても同じ人とは思えない。ボクはてっきり激変してオヤジのようなルックスになってしまったのかと思った。すごいなあ。 銃は、暗殺に使ったのがベレッタのモデル84。サウンド・サプレッサーを装着していた。リドリー・スコット監督だし、大予算の大作だし、おそらくはちゃんとリサーチして実際の犯行に使われたものと同じモデルを手配したのではないだろうか。 公開8日目の初回、銀座の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は17〜18分前に開場。観客層はハイ・ミセスと言った感じの女性が多かった。まあテーマから言って当然か。最初女性8人に男性2人くらい。最終的には456席に4.5割くらいの入り。10席のリクライニング・シート席はわからなかったが、10席×2列のプレミアム席は7席くらいが埋まった。 10分前くらいから曲が流れ、1分ほどしてシネマ・チャンネル。マスク注意と飲食NGで、飲食OKになって半暗となり、非常口が消えて予告が続き、マナー、忘れ物注意のあと映写機のマスクが左右に広がりシネスコのフルサイズになってTCXデモ、ややまぶしい新しい足元注意(白黒反転してくれれば良いのに)、フル・サイズの映画泥棒、映倫で本編へ。 まあ、それにしてもオバサンは良くしゃべるなあ。 |