監督・製作:スティーブン・スピルバーグ 原作戯曲:アーサー・ローレンツ 脚本:トニー・クシュナー 撮影:ヤヌス・カミンスキー 出演:アンセル・エルゴート、 レイチェル・ゼグラー、 デヴィッド・アルヴァレス、 アリアナ・デボーズ、 マイク・フェイスト、 リタ・モレノ、ほか |
1950年代のアメリカ、ニューヨーク。再開発が進む下町ウエスト・サイド地区は、プエルトリコからの移民が増え、若者たちは「シャークス」というグループを作り、ヨーロッパ系移民の「ジェッツ」というグループと対立していた。そんな時、「ジェッツ」の元リーダー、トニー(アンセル・エルゴート)は、ダンスパーティで「シャークス」のリーダー、ベルナルド(デヴィッド・アルヴァレス)の妹マリア(レイチェル・ゼグラー)と出会い、一目で恋に落ちてしまう。しかし、両グループは対立を深め、決闘をしようとしていた。
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素晴らしいミュージカル。ただ、楽しい映画ではなく、「ロミオとジュリエット」的悲劇の物語。感動的でショッキング。そして素晴らしい名曲の数々。映画的な絵作りも素晴らしく、見事だなあと。 本当にプエルトリコ出身の俳優たちを使っているけれど、印象としては、やっぱり「ウエストサイド物語」(West Side Story・961・米)と一緒かなと。原作が同じなんだから、当然と言えば当然だけど。たぶん時代設定も一緒。だとすると、なぜ今作り直したんだろうかと、気になる。ボクなんかにはジョージ・チャキリスの長い足を活かしたダンスが強く印象に残っているんだけど……。で、これが許さされるのは、たぶん名監督で、名プロデューサーのスピルバーグだけではないだろうか。しかもフィルムで撮影しているようだし。こんな贅沢……。 ちなみに、雑貨店の店主、バレンティーナを演じていた女性は、「ウエストサイド物語」でアニータを演じていたリタ・モレノ。しかも製作総指揮の1人もリタ・モレノ。存在感もあったし、年老いてもきれいで魅力的。そして、もう1人、際立って良かったのは、ベルナルドの恋人アニータを演じたアリアナ・デボーズ。魅力的で、ダンスも歌もうまく、役にはまっていた。さらに言うと、「ジェッツ」の今のリーダー、リフを演じたマイク・フェイストも良かった。突っ張った感じやあさはかでオバかな若者の感じが実によく出ていた。いかにもアメリカの青年にいそう。 銃は、S&Wのモデル10の4インチ。買いに来たガキを試すように、コルトの32だとか、22だというやりとりがあるところなど、設定はとてもリアル。ミュージカルには必要なさそうだが、そこがこだわり派のスピルバーグということなのだろう。さすが。銃なんか持ち出すから、悲惨な結末が待っている。 公開8日目の初回、といってもほぼお昼、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は15分くらい前に開場。観客層は金曜ということでか、若い人が多い。なかでも若い女性とマダムが中心。上映時間が近づくにつれて男性も増えていき、男女比は4対6くらいまでに盛り返した。最終的には499席に60人くらい。平日といっても少ない感じ。とはいえ、絶対見ておかなければならない作品かというと…… むしろ過去作の方かな。9席×2列のプレミアム席は5人ほどが座った。 シネマ・チャンネル、飲食OK、半暗になってCM・予告、マナー、忘れ物注意で暗くなって、TCXデモ、ドルビーATMOSデモ、ちょっとまぶしい足元注意から、フル・サイズの映画泥棒、映倫でフルル・サイズで本編へ。 また、予告の時点から4Dスクリーンの振動が伝わってきて不快だった。一瞬地震かと思ってしまうし、集中力削がれるよなあ。 |