2022年3月19日(土)「ガンパウダー・ミルクシェイク」

GUNPOWDER MILKSHAKE・2021・仏/独/米・1時間54分

日本語字幕:丸ゴシック体下、佐藤恵子/シネスコ・サイズ(IMDbでは2.39、Arri ALEXA、Dolby Vision)/ドルビーATMOS
(仏12指定、独18指定、米R指定、日PG12指定)

監督:ナヴォット・パプシャド
脚本:ナヴォット・パプシャド、
   エフード・ラフスキ
撮影:マイケル・セレシン
出演:カレン・ギラン、
   レナ・ヘディ、
   カーラ・グキーノ、
   ミシェル・ヨー、
   アンジェラ・バセット、ほか

公式サイト
https://www.gpms-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

15年前、一人娘を守るため姿を消したママ、スカーレット(レナ・ヘディ)の後を継いでファームの殺し屋となったサム(カレン・ギラン)は、指令係のネイサン(ポール・ジアマッティ)から、組織の金を盗んだ会計士から金を取り返すよう命令を受ける。ところが会計士はロシアン・マフィアの脅しを受けていて、ひょんなことから人質となっている会計士の8歳9カ月の娘エミリー(クロエ・コールマン)を助け出し、一緒に逃走する羽目になる。


86点

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 面白かった。ここ数年ちょっと多くなった女性アクションだが、その中でも痛快で、スタイリッシュで、笑いも感動もあって、実に良くできている。ドバドバ血が飛び散り、血まみれで、かなりグロな部分もあるのに、意外と全体としては爽やかな印象。悲惨な話なのに、暗くなく、落ち込んだり気が塞ぐこともない。

 ちょっと雰囲気としては、「キック・アス」(Kick-Ass・2010・英/米)とか「スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団」(Scott Pilgrim vs. the World・2010・米/英ほか)、「ゾンビランド」(Zombieland・2009・米)などに似ている。それらが好きな人は本作も気に入るだろう。ちょっと西部劇的でもある。マカロニも入っていたか。

 ほぼ全編アクションで、基本、女性たちが悪い男達をバッタバッタとなぎ倒す。だから女優陣はとてもがんばっている。体を張ったアクション。特に主演のカレン・ギランがイイ。美人なのに(美人だから?)ここまでやるか、と。女達が元気だと、男達も立つ。結果、面白い映画ができ上がる。3ばか大将もなかなか秀逸。

 Tシャツとかお菓子の袋に日本語が書かれていたりして、監督はアニメおたくか。だって、図書館員のアナ・メイはアニメだろう。ボーリング場に飾られていたトラのスカジャンも日本じゃない? その監督はイスラエル出身のナヴォット・パプシャド。過去の作品はどれも見たことがないが、注目の監督であることは間違いないだろう。ティルト・レンズを使ったらしい遠近両方にピントの合った絵は、「エンジェル・ウォーズ」(Sucker Punch・2011・米/加)でも使っていたんじゃなかったかなあ。カールズ・アクションという点では共通するものがあるかも。

 銃はたくさん登場。この映画用の特製カスタムまで。とてもすべてはフォローしきれなかったが、サプレッサーを付けたP226、M686、CZ100、ワルサーP99、グロック、モスバーグの590、MP5K、ワルサーPP、ママが使う1911オートのシルバーのダストカバー部にアタッチメントを着けて、ナイフを装着できるようにしたカスタムの2挺拳銃、ミシェル・ヨーが使うM16A1とHKのVP9、MP7、ロン毛のヤクザが使うP226Rのロング・スライドらしいモデル、そしてimfdbでも正体不明としている車から撃つサブマシンガン、ママが使うM92のランダル・カスタム、娘が使うPSG-1スナイパー・ライフル、などなど。キー・アーマラーはルッツ・ザイドラーという人。テレビが多いようだが、最近だと「アンチャーテッド」(Uncharted・2022・米/西)を手がけている。

 ネオンを使った印象的なタイトルは、マット・カーティス。最近だと「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」(No Time to Die・2021・英/米)や「355」(The 355・2022・米/中)、「ザ・バットマン」(The Batman・2022・米)など印象的なタイトル(エンド・タイトル)を手がけている。うまいなあ。

 公開2日目の初回、六本木の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は15分くらい前に開場。観客層は、やっぱりメインは中高年。最初中高年男性が7人、若い男性が2人、女性が1人という感じ。ギリギリになって、少しだが若い人と女性も増えた。最終的には342席に40人くらいの入り。もっと入っても良いと思うけどなあ。9席×3列のプレミアム席には男性2人、女性2人が座った。

 CM・予告の途中で飲食OKが出て、半暗に。最後のマナーと忘れ物注意から暗くなって、ややまぶしい足下注意、フル・サイズの映画泥棒、映倫と続いてフル・サイズの本編へ。

 キャパは多いがスクリーンが低いところで、座席は真ん中から前の方でないと、混んだ時にスクリーンの下、字幕あたりが見えにくくなる可能性大。ここもちょっと古いからなあ。


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