2022年4月30日(土)「ホリックxxxHOLiC」

2021・映画『ホリック』製作委員会(製作幹事:松竹/アスミック・エース)・1時間50分

ビスタ・サイズ(フルサイズに映写機の左右マスクで上映、ARRI)/音響表記なし(公式サイトでは7.1chサラウンド)
(一部日本語字幕付き上映もあり、『HELLO! MOVIE』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド・聴覚障害者用日本語字幕付き)

監督:蜷川実花
原作:CLAMP「xxxHOLiC」(講談社「ヤングマガジン」連載)
脚本:吉田恵里香
撮影:相馬大輔
出演:神木隆之介、柴咲コウ、
   吉岡里帆、磯村勇斗、
   松村北斗、玉城ティナ、ほか

公式サイト
https://xxxholic-movie.asmik-ace.co.jp
(全国の劇場リストもあり)

高校生の四月一日君尋(わたぬききみひろ、神木隆之介)は、人の心の闇に取りつくという「アヤカシ」が見えることに悩み、孤独な日々を送っていた。ところが、ある日、1羽の蝶に導かれ【ミセ】にたどり着く。そこの女主人、壱原侑子(いちはらゆうこ、柴咲コウ)は、ここは人の願いを何でもかなえるミセで、それには望みに見合う対価が必要だという。「アヤカシ」を見えなくするには一番大切なものを差し出せと。一番大切なものが何かわからない四月一日は、それが見つかるまで、得意な料理の腕を活かし【ミセ】で家政婦として働くことになる。

72点

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 とにかく絵がきれい。日本映画にありがちなコントラストの低い浅い色のビデオ的な絵と違って、鮮やかで濃厚な色つかい。そして登場するたびに違う柴咲コウのあでやかで見事な衣装の数々。素晴らしい。神木隆之介クンも美少年的に撮られていて、実に美しかった。美しさという点では、邦画年一かもしれない。当然、出演者は美男美女ばかり。

 ただ、物語的にはもっとたくさんの「あやかし」との戦いを描いて欲しい気がした。そして終わって出て行く時、原作のファンらしい女子たちが、だいぶ違うというようなことを話していたので、原作ファンは楽しめないかもしれない。

 キャラクター的に、弓を使う百目鬼静(どうめきしずか)が最も中途半端な感じがした。リアリティというか存在感なし。まあ本作では女性キャラが濃く、男性キャラは皆お飾り的なのでしようがないのかもしれないが、それにしても……。

 監督は蜷川実花。とにかくこの人は絵がきれい。さすが写真家。ボクが見たのは「Dinerダイナー」(2019・日)だけだが、コミックの原作者が多いのかなと。そして「下妻物語」(2004・日)ともつながるものがあるのかなと。

 公開2日目の2回目、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は15分くらい前に開場。観客層は若い人から中高年まで幅広かったが、メインは若い女性。最初は4対6くらいで女性が多かったが、最終的には若い女性が増えて2対8くらいに。そして580席に6割くらいの入り。これはちょっと寂しいか。

 CM・予告の途中で半暗になり、映画泥棒とケロロ軍曹の海賊版があって、マスク注意で暗くなり、マナーがあって、フル・サイズの左右マスクで本編へ。


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