てっきり映画オリジナルのストーリーかと思ったら、海外原作の小説の映画化だった。そのせいなのか、舞台などは未来の日本に置き換えてあるものの、かなり西洋的なイメージの作品に仕上がっている。その雰囲気はちょっと「夏への扉 ―キミのいる未来へ―」(2021・日)にも似ているかも。ラストの戦いも。同じ監督だし。ただSFミステリー的な雰囲気は「夏への扉」の方が上だが……。本作は、原作を読んでいないのだが、ほとんど展開もエピソードもパターンという気がしないでもない。ありがち。でも感動した。パターンの力か、ちょっとウルっと来た。 ロボット主人公という点では「HINOKIO ヒノキオ」(2004・日)、「ショート・サーキット」(Short Circui・1986・米)、「ロボジー」(2011・日)、「ウォーリー」(WALL・E・2008・米)、「ベイマックス」(Big Hero 6・2014・米)、「チャッピー」(Chappie・2015・米)、最近でも「ロン 僕のポンコツ・ボット」(Ron's Gone Wrong・2021・米/英)とか、とにかくたくさん。AIものとも似ていると言えそう。となると重要なのはロボットのデザインとか声とかしゃべり方、仕草などのキャラクターセットだろう。本作は素晴らしいデザインで(人間のような複雑な動きをするのに、中はスカスカなのが気になるけど)、愛嬌があって、感情移入しやすい。 気になったのは、ロボットのタングがほとんどCGなのか、タングと関わるメインのキャストの二宮和也、満島ひかり、武田鉄矢といった人たちの演技が、どこかぎこちないこと。みな名優なのに、戸惑っているような印象。うむむ。ちょっと残念。 公開7日目の平日初回、銀座の劇場は全席指定で、前日にネットで確保。当日は夏休みとかお盆休みということもあるのか、意外と劇場は混んでいた。15分ほど前に開場となり、場内へ。観客層は中年層からやや高寄りの女性がメイン。二宮和也ファンだろうか。最終的には257席に40〜50人ほどの入り。平日の朝一だし、多い方かも。男性は6〜7人。プレミアム席にも4人ほどが座った。 予告のあと暗くなって、諸注意から、映写機の左右マスクで本編へ。 |