2022年8月20日(土)「バイオレンスアクション」

2022・「バイオレンスアクション」製作委員会・1時間51分

ビスタ・サイズ(シネスコ・サイズに左右マスクで上映)/音響表記なし(サラウンド?)
(日PG12指定)(一部日本語字幕付き上映もあり、『HELLO! MOVIE』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド・聴覚障害者用日本語字幕付き)

公式サイト
https://www.va-movie.jp
(全国の劇場案内もあり)

74点

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 お手軽なんちゃって美少女アクションかと思ったら、まともなヴァイオレンス・アクションになっていて驚かされた。予告などのイメージとは違い、ちゃんと楽しめた。恐いし、面白かった。ギャグも結構笑える。ダメかもと思って貯まったポイントで見たが、お金を払って見ても良かったかも。

 やはりこれは原作があることの強みだろうか。設定はなんちゃって的ながら、ストーリーがしっかりしていて、本格派。しかも敵が凶悪でかなり恐ろしい。美少女ものとは思えないリアルな迫力と怖さ。たぶん映画オリジナルだったら、残念なことになっていた可能性はある。戦いで耳栓を付けて曲を流すのは「ベイビー・ドライバー」へのオマージュだろうか。

 サイコパス的でヤバい感じがする殺し屋のみちたかくんを演じた城田優が凄かった。すばらしい悪役ぶり。ラストがちょっとあっけないが金子を演じた森崎ウィンも良かった。おかっぱの微妙な雰囲気が良く出ていたアルバイトの渡辺を演じた鈴鹿央士も良かったし、サラリーマンヤクザ的な二枚目テラノを演じた杉野遥亮も良かった。もちろん親分の木下を演じた高橋克典も貫禄十分で恐かったが、中でもワルの感じが半端なく出ていてリアルで印象に残ったのはアヤベを演じた大東駿介。すごいなあ。そしてヒロイン橋本環奈はひたすらかわいく撮られている。ファンも大満足だろう。

 読んでいないが、当然、原作も良いということだろうし、監督、脚本も素晴らしいということだろう。脚本も手がけた監督の瑠東東一郎はTVから映画の「劇場版 新・ミナミの帝王」(2016・日)や「劇場版 おっさんずラブ〜LOVE or DEAD〜」(2019・日)などもを手がけているというから納得。こういったアクションは撮影が大変で、本作もかなり大変だったのではないだろうか。苦労が偲ばれる。

 ただ、主人公がヤクザたちがいる工場のようなところに侵入して殺し合いが始まっているのに、敵のヤクザが主人公の少女を見つけて、銃を向けて「手を挙げろ」なんて物語でしかあり得ないのではと思ってしまった。普通すぐ撃つでしょ。だいたい本作に限らず、特に日本映画では、銃を撃つまでが長い。反撃で撃たれるのを待つような間がある。イカンと思うなあ。

 銃はたくさん出てくる。メインなところでは、P226、M14スナイパー、パイソン2.5インチ、H&KのPSG-1、S&WのM19らしい4インチ、AK、MP5、M2カービン?、1911オート、ポンプ・ショットガン、H&KのUSP、グロック、S&WのM&Pっぽい4インチリボルバー、ベレッタ92、デザート・イーグル、などなど。とにかくたくさん出てくる。ガン・エフェクトは早川 光。USPがとにかくカッコよく見えたが、一番恐かったのは釘打ち銃かも。でも、釘打ち銃って、安全機構で何かに押し当ててないと釘を打ち出せないんじゃなかったっけ? 空中に向けて打ち出すなんて…… 安全機構を外した改造銃という設定?

 公開2日目の初回、銀座の劇場は17〜18分前に開場。ガールズ・アクションなのに観客層は中高年がメイン。映画好きということか。最初、オヤジ6人、オバサン4人、若い男性1人と言った感じ。そんな比率で、最終的には120席に20人ほどの入り。うーん、朝早い初回とは言え、公開2日目の土曜でこれはつらいなあ。もっと入っても良い映画だと思うけどなあ。

 CM、予告から、諸注意の途中で暗くなり、映写機の左右マスクで本編へ。


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