恐い映画。最後までドキドキが止まらない。そして辛い。国に奉仕していながら、年金も無しで追放されてしまうなんて、こんなことあるんだろうか。あまりにも酷すぎる。かわいそう。そこがスタートで、その感情がよく伝わってくる。 最初の1/3くらいはそういった戦争を背景とした帰還兵の悲劇を描いたドラマといった感じ。そこからスパイ・アクションというか、特殊部隊の潜入作戦になり、後半はサバイバルからの壮絶な復讐劇。ちょっとドラマ部分は退屈というか、入り込みづらい部分もあるが、そこが重要なモチベーションになっているので、じっくり描かざるを得なかったのだろう。ここが辛すぎる。人ごとではない感じも。これで年老いた親の介護まであったら最悪な事態だが、それはさすがになかった。それでも家族がいると、お父さんとしての責任は重大だと。 主演のクリス・パインは最近あんまり見かけなくなった感じが。いい味なんだけどなあ。リブート版の「スター・トレック」(Star Trek・2009・米/独)で鮮烈な印象を残した人。その後大活躍するのかと思ったら、ヒット作に恵まれなかったよう。本作ではタクティカルのトレーニングを積んだようで、ルーム・クリアやマガジン・チェンジなどで、プロっぽい所作を見せる。同様に、うまくて印象に残ったのが民間軍事会社の女性コントラクター(オペレーター)を演じたドイツ生まれのニーナ・ホス。この人もかなりトレーニングを積んだのだろう。うまい。 銃は、コントラクターがグロックとM4系カービン(どちらもサウンド・サプレッサー付きも)。ドイツ警察がUSP、M4系。ドイツにいる脱出援助グループのコントラクターがAK系、HK416など。大ボスはマーリンらしいレバー・アクション。ああだ、こうだ、しゃべらせず、いきなりドンと撃つのが恐い。敵も味方も、ドン。恐っ! 公開10日目の初回(といっても昼近く)、品川の劇場は10分くらい前に開場。ここはファミリー劇場という感じなのにB級アクション系をよく掛けてくれるので、その作品は混まない。今回も、188席に10人ほどの入り。ほぼ中高年のオヤジで、中高年カップルが2組。若いカップルも1組だけ。もっと入ってもいい作品だと思うけどなあ。 CM・予告は場内が明るくてよく見えないパターン。途中でマスク注意、マナー、非常口から半暗になり、ようやく見えるように。もう一度マスク注意から映写機のマスクが左右に広がってフル・サイズになって、映画泥棒から映倫で本編へ。 |