IMDbでは8.0の高評価。とにかく3時間を一瞬たりとも飽きさせず最後まで一気に見せるスゴイ映画。ただ、大英帝国の非人道的な植民地支配と戦ったインドの人々の感動的なお話ではあるのだが、やはりそこはインド映画ということでか、表現が大げさでなかなか入ってこない。感動はする。感動はするが、深くまで刺さってこないというか…… 芝居がかっているというか。ハッピー・エンドのあと、皆が出てきて踊るのも、本当にあったお話というよりファンタジー、おとぎ話的に感じてしまうのかもしれない。 もちろんCGも使っているのだろうが、モブ・シーンのスケールはケタ違いで、建物を爆破したりとにかくお金が掛かっている感じはする。超豪華。公式サイトによれば、インド映画史上最高の製作費、約97億円だそう。しかも人間とは思えないようなコテコテの悪役のイギリス人にも、レイ・スティーヴンソンら有名俳優を使っているし。暴力表現も、かなりリアルになっていて、血しぶきが結構飛び散っている。というか、血まみれといっても良いかもしれない。ちょっとショッキングなほど。加えて、刑罰や拷問などの残酷表現も半端無い。製作者はサドなのか?と思わずにはいられないほど。バイオレンスが過ぎる。気分が悪くなる。 最初はもっと控えめに、リアル路線で行って、後半から徐々に大げさになるのなら受け入れやすかった気はする。日本人的(というか、ボクが代表しているわけではないので少なくともボク的)には最初から飛ばしすぎという気がした。やりすぎ。でもインド的には最初にガツンとやって観客の心をつかまなければダメなのかもしれない。国民性の違い? 皆がヒゲというのもちょっとなじめないなあ。インド映画が向いていないのか……。なんでも、すぐ約束するし。それで守れないと死んじゃうの? お約束のメイン・キャストを頂点とした三画陣形のダンス・シーンはもちろん素晴らしい。動きもキレッキレで、カッコいいし、曲もノリノリ。ただ内容とはあまり合わないかなあ。 絵は画質も良いし、色もしっかり出ていてきれい。構図も見事。音声もクリアだし聞き取りやすく、クリア。サラウンドで良く回る。ただ、やっぱり曲は大げさな感じがして、しかもボリュームが大きい。むりやり悲しませたり、むりやりドキドキさせるような強引さがあって、どうかなと。インターミッション(休憩)は出るものの、すぐに次の画面になり休憩なし。3時間はトイレ的にギリギリ。始まる前に2回トイレに行ったが、終わってすぐトイレに行った。 銃は、1920年ということで、イギリス軍はマルティニ・ヘンリー・ライフルで、提督は彫刻入りのデラックス・モデルで、たぶん現代スコープに真ちゅうの筒を付けて古く見せたものが装着されていた。拳銃はウェブリー・スコット・オートとウェブリー・リボルバー。後半ではリー・エンフィールド、SMLEライフルも。弾1発は15ルピーでインド人の命より高いといって、指揮官の命令で銃を使わず、ナタやカナヅチを使うところも恐ろしい。で、警察官のラーマが手柄によってスペシャル・オフィサーになったご褒美でもらうのが174席にBAR。ラストのボルト・アクション・ライフルの両手持ちの連射は、一部ボルト操作を見せてはいるものの、いかんなあ。 公開2日目の初回、池袋の劇場は、15分くらい前に開場。アナウンスですぐに入ったのだが、すでに案内が始まっていた。場内は明るくてもスクリーンが明るいので、比較的よく見える。観客層は若い人から中高年まで幅広い感じで、最終的には174席に25人くらいに入り。女性は5人くらいで、若い男性も5人くらい。うむむ。 スクリーンはビスタ・フルで開いていて、CM・予告の途中でマナーから半暗になり、上下マスクの映画泥棒、映倫があって予告が続き、スマホをOFFにから退場時の注意で暗くなって、映写機の上下マスクで本編へ。 |