いわゆるファミリー・コメディ。楽しい。しかも、離婚しているとは言え、かなり裕福な家庭のお話。自分の気持ちに素直に従い、無理せず生きろと、古くてきわめて普通のメッセージ。大きな事件も起きず、シリアスな諍いもない。お気軽でお手軽なコメディ。 銃撃戦も、格闘もなく、もちろん爆発もない。実にピースフルな、天国に一番近いような南の島でのドタバタ劇。いわばファンタジーでおとぎ話。心は安らぎ、何も考えず笑えて、きれいな景色を楽しめる。しかもジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニーの顔合わせ。ちょっとオジサン向きのご機嫌な曲もちりばめられていて、これ以上何が欲しい? そんな感じ。 リアリティはほぼなし。生活費の心配などする必要もないような人たちの話だから。平気で高給取りの弁護士の職を捨てられる人って……。ニューヨークで何年も弁護士試験に挑み続けて、ついに合格した人もいるのに。まあバリには行きたくなるかなあ。きっとプロデューサーとか監督とか脚本家がバリを大いに気に入って作ったのではないか、とも思えるような映画でもある。 似たようなドラマでありがちなのは、ルーム・メイトが個性的で、意外と魅力的というパターン。ルーム・メイトでなくても、「マンマ・ミーア!」(Mamma Mia!・2008・米/英/独)のように、ママの友だちが強烈キャラで魅力的という形も似たようなパターンかなと。本作の監督・脚本は続編の「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」(Mamma Mia! Here We Go Again・2018・英/米/日/中/クロアチア)の方の監督・脚本だが……。今回注目はルーム・メイトのビリー・ロード。美人だし、良い味を出している。新しい「スター・ウォーズ」(Star Wars・2015〜2019・米)シリーズにも3作とも出ていたらしい。それではあまり印象に残らなかったのだが……。 公開初日の2回目、ほぼお昼、銀座の劇場は20分前くらいに開場。観客層はほぼ中高年で、ジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニーのファンということになるとこの年齢層かなと。男女比はほぼ半々くらい。カップルというか夫婦が多い印象。最終的には257席の9割くらいが埋まった。男女比は女性が増えて、4対6くらいで女性の方が多くなった。8席あったプレミアム席も7席が埋まった。さすがベテランの作品。 シネマ・チャンネルのあと飲食OKになり、半暗に。CM・予告からマナー、忘れ物注意で映写機のマスクが左右に広がってフルのシネスコになり、暗くなって、足元注意、映画泥棒、映倫で本編へ。 |