2022年11月5日(土)「犯罪都市 THE ROUNDUP」

THE ROUNDUP・2022・韓・1時間46分

日本語字幕:丸ゴシック体下、金海美/シネスコ・サイズ(IMDbでは2.35、Arri ALEXA)/音響表記無し(IMDbではドルビー・デジタル)
(韓15指定、日PG12指定)

公式サイト
https://hanzaitoshi.jp
(全国の劇場案内もあり)

76点

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 「犯罪都市」(The Outlaws・2017・韓)の続編。たぶん前作は上映劇場の関係で見ていないと思うが、見ていなくても楽しめる作品。もちろん見ていれば、より楽しめるだろう。

 とにかく驚かされるのは、血がほとばしり、顔が変形するようなリアルでシリアスな暴力と、ちゃんと笑えるコメディを見事に融合させていること。恐くてハラハラドキドキ、しかもゾッとするほどなのに、笑って楽しめる。何だ、この映画。さすが韓国映画ということか。どちらも本気、全力で作り上げている感じ。笑わせてくれる刑事たちも、全力で、命を賭けて悪党と闘い、逮捕しようとする気持ちが伝わってくる。うまいなあ。

 暴力まみれではあるものの、とにかくそれらによって犯人たちの凶悪さは充分に伝わってくる。だから主人公たちを応援したくなる。ラストにはやっつけてスッキリ爽快。アクションものの基本。悪が徹底的に悪ければ、半分は成功したようなもの。主人公たちがますますカッコよく見える。

 悪党は話もろくにせずに、いきなりグサリ。共犯者であっても、じゃまなら平気でグサリ。普通はそういう展開にならないので、先が読めずさらに恐いことになる。刃物も感情のままにめった刺しで、恐い。そして、投げたり殴ったりの格闘シーンがいかにも痛そうに撮っていて、相応の効果音も付けられているので、スゴイ迫力。座った椅子ごと蹴り飛ばすとか、超強力パワー。

 登場実物はみなキャラが立っていて印象に残るが、中でもスゴイのは悪役のカン・ヘソンを演じたソン・ソックがスゴイ。いかにもコールド・ブラッド、冷血といったイメージそのまま。良心という観念がないかのような人物を実にリアルに演じている。公式サイトによれば、アメリカのシカゴ大学でドキュメンタリーの監督を目指したという、むしろ正反対の人。セリフも少なめなのに、これだけの存在感。ナイフで刺した後ひねってるもんなあ。スゴイ。今後も注目だろう。

 銃は、タイ警察がAK、ヤクザがチーフらしい5連発。もちろんより恐いのは刃物。斧やナイフが恐ろしい。もちろんマ・ドンソクなので、銃撃戦よりは格闘戦ということだろう。

 公開3日目の初回、銀座の劇場は20分くらい前に劇場がオープン。その時間帯の作品が一斉に開場したので、ちょっと混雑していた。最初6〜7人で、ほぼオヤジ。その後女性も少し増えたが、2割いたかどうか。若いイケメンが出ていないと、こんな感じなのだろうか。最終的には456席に40〜50人くらいの入り。デラックス・シートもプレミアム・シートも、たぶん誰も座らなかった。舞台挨拶中止の反動だろうか。

 シネマ・チャンネルのあとマスク注意で半暗になり、CM・予告から、マナー、忘れ物注意で映写機のマスクが左右に広がってフルになり、暗くなってTCXデモ、足元注意、映画泥棒、映倫で本編へ。


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