たぶん肝の部分になるので書けないが、クライマックスはちょっと涙が……。久しぶり。これはつらいなあ。たぶんこんな家族が実際にいっぱいいたんだろうなと思うと、涙が溢れてしまう。 構成としては、日本的な摩訶不思議なファンタジーで、日本列島を南から北へと向かうロード・ムービーにして、ちょっと“アオハル”的恋愛ムービーで、少女の成長物語で、明日に向かって強く生きていく復活・復興の物語。とにかく絵が美しい。素晴らしい。そして懐メロも含めて音楽が印象的。心に染みるわ。 パターン的にはアニメ的というか、宮崎アニメ的なのか、主人公を助ける人たちがたくさん出てきて、しかもみんないい人たち。その人たちに助けられてまだ未熟な少女が使命を達成しようとする。つまりはありがちかもしれない。ドアも「ハウルの動く城」(2004・日)っぽいし、すずめはしずく? しかし、そのエピソードの作り方がうまく、感動的に仕上がっている。ふと感じたのは、主人公を助けてくれる人たちは、まるでテレビ東京の『Youは何しに日本へ?』の外国人の旅を助ける地元の人たちのよう。ひょっとして新海監督は番組のファンなのではと思った。知らんけど。 あえて言えば、この内容だと2時間半くらいの尺だと良かったのかもしれない。というのも、どうにも展開が唐突でついて行きにくい。冒頭の部分、女子高生の鈴芽(すずめ)と大学生の草太(そうた)が出会ってから「閉じ師」であることがわかるまでの【普通でない部分】を、もう少し時間を掛けて「君の名は。」(2016・日)のように信じやすく描いて欲しかったなあと。そこと、小さい子供の表現がなんだかリアルさのないアニメっぽい感じで、気になった。 公開7日目の平日、初回、銀座の劇場は17分くらい前に開場。観客層は平日の午前中ということもあって、大学生くらいの若い人と、定年となって高齢者、平日が休みの中年層と主婦?という感じ。男女比は徐々に女性が増えて男性より多くなり、4.5対5.5くらいに。最終的には456席にたぶん60〜70人くらいの入り。8席のラグジュアリー席に1人、10席×2列のプレミアム席に8人ほど。 シネマ・チャンネルからマスク注意、飲食OKで半暗になり、CM・予告、マナー、忘れ物注意、ティファニーのビヨンセのCMで暗くなって、映写機のマスクが左右に広がって、TCXデモ、足元注意のフル・サイズの映画泥棒、映倫で本編へ。 入場者プレゼントで、B5判20ページ、オール・カラーの非売品「新海誠本」をもらった。 |