うーん、つらい話。切ない。あまりにもかわいそう。そして、アメリカだと本当にありそうな気がする。ミステリー、謎解きとしても良くできていて、隠し球を後になって出してくるようなことはなく、ちゃんと判断材料はすべて提示されている。勘のいい人ならたぶん予想が付く。とは言え、それより沼の少女の半生というか、ほぼすべての人生を描くことに主眼が置かれている感じ。だから実話っぽい印象も。こういう人生もある。けれど決して不幸なだけではなく、愛を見つけ、幸せに暮らし、穏やかな死を迎えたと。それゆえ、じわーっと染みてくるような感動が。後味もわりと爽やか。 この映画が成功作だとしたら、その要因の多くは主演のデイジー・エドガー=ジョーンズによるところが大きいのではないだろうか。イメージ的にぴったり。清楚な感じ、内気な感じ、でも芯は強い感じなどが雰囲気としてよく伝わってきた。これから大活躍しそうな気がする。そして少女時代を演じたジョジョ・レジーナも良かった。 場所が南部で、時代が1969年で、アメリカでは差別的な問題が大きかったのではないだろうか。その時代感覚というのはアメリカ人でないとわかりにくいのかもしれないが、なんとなくいろんな映画から得得た知識でそんな気はするし、だからこその物語なんだろうとは思う。 銃は、保安官たちがホルスターに4インチ・クラスのリボルバーを携帯していた。グリップのメダリオンから想像すると、コルトのオフィシャル・ポリスらしい感じはしたが、抜かないので判断は付かなかった。 公開3日目の初回、銀座の劇場は15分くらい前に開場。観客層は中高年と言うより、高寄り。男女比は6対4くらいで男性多め。最終的には151席の95%くらいが埋まった。やや地味な作品ながらミステリー好きは気になる作品ということだろうか。楽しい作品ではないが、もっと多くの人が見にきても良いのではないかと思う。 CM・予告のあと暗くなって、映写機のマスクが左右に広がり、フルの映画泥棒、映倫で、本編へ。 |