2023年2月16日(木)「バビロン」

BABYLON・2022・米・3時間09分

日本語字幕:手描き風書体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(IMDbではフィルム、2.39、Arri、Super 35)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタルも)
(米R指定、日R15+指定)

公式サイト
https://babylon-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

74点

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 うーん、これは……、 酒池肉林の地獄絵図、という感じ。そして破滅の物語。感情は大きく揺さぶられるが、ちっとも楽しくなく、感動もなく、不快さばかりが苦みのように残る。何のために作った映画なのか。むしろ感じたのは、「ラ・ラ・ランド」(La La Land・2016・米/香)が大ヒットしたことで、使える予算が増え、出演してくれる一流俳優が増え、制作の自由度も大幅に増え、やりたい放題、贅沢に作ったら、こんな作品になってしまった、というニュアンス。

 映画として高いレベルにあるように思う。それでも、見たいかと言われれば、あまり見たくない類いの映画。とてもネガティブ。映画界の舞台裏を描く作品で、どちらかと言えば、「雨に唄えば」(Singin' in the Rain・1952・米)が正なら、本作は負で、カウンターパート的なもの。要らないと思われるようなものも多い。男女の裸も不必要に多い気がするし、だからむやみに長い。これは実は良くあるパターンかも。たいていの場合、制約が多い方が、本当に描きたいものだけに絞られて、工夫が凝らされていて、贅肉をそぎ落としたような感じなり、良いものができあがりやすい。本作は贅肉や脂肪が多く、醜い超肥満体になってしまった気もする。


 銃は、ブラッド・ピット演じる往年のハリウッド・スター、ジョン・コンラッドが持っていたのは、S&Wのスコーフィールドっぽいシルバーめっきのリボルバー。後半のギャングが腰に付けていたのは、チーフっぽいスナブノーズ・リボルバー。ただ時代的にはまだ登場していないから、何だったのだろう。殺し屋が持っていたのは1911オート。血も飛び散り、かなり恐ろしい。

 公開8日目の初回、といってもほぼお昼だが、新宿の劇場は15分くらい前に開場。観客層は中高というか、やや高寄り。ハリウッドの歴史的な部分に興味があるのは高齢者ということになるということか。男女比は5.5対4.5くらいでやや男性が多い感じ。くらい。最終的には499席に60人くらいの入り。平日はこんなものか。9席×2列のプレミアム席は4席ほどが埋まった。

 10分前くらいからシネマ・チャンネルが上映され、半暗になってCM、非常口案内のあとランプが消えて、ちびゴジラの予告、忘れ物注意から暗くなって、映写機のマスクが左右に広がりフル・サイズへ。TCXのデモ、ドルビーATMOSのデモ、足元注意、フルの映画泥棒、左右マスクのケロロ軍曹の海賊版と来て、本編へ。


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