2023年4月19日(水)「ノック 終末の訪問者」

KNOCK AT THE CABIN・2023・米/日/中・1時間40分

日本語字幕:手書き風書体下、風間綾平/シネスコ・サイズ(ドルビーVISION、IMDbではフィルム、2.39、Arriflex)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、ドルビー・サラウンド7.1も)
(米R指定)

公式サイト
https://knock-movie.jp
(音響選択式、情報少、全国の劇場リストはあり)

59点

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 内容なさ過ぎ。登場人物たちもが口にする疑問点も、何一つ解決されずに終わる。何のための物語なのか。何が描きたかったのか。単なる、身に降りかかった理不尽な災難の恐怖? しかも、理解不能な出来事を、いったんは理論的に説明して見せて、またそれをひっくり返すというパターンじゃないだろうなと見ていると、そのまんまの展開。不明は不明。何も説明しない。非常に消化不良。ただ残酷なだけ。正気とは思えない映画。原作もこんな出来なのだろうか。シャマラン・ファンは楽しめるのか、IMDbでは6.1点なので、そんなに悪くない……。

 ボク的には、シャマラン監督は「シックス・センス」(The Sixth Sense・1999・米)以外、見るべき作品はないと思うのだが、ついつい見に行ってしまう。ここまで不作が続くと、そろそろ「シックス・センス」のように良作が出ても良いのではないかという確率論的興味と、やっぱりダメだったという確認のために劇場に行っているような感じ。だいたい、これホラー? 不条理映画じゃないの?

 すでに有名俳優が出なくなっていると思うが、それでもなぜ作品を作り続けることができるのだろう。監督のシャマラン自身がプロデューサーだということがあるにしても、不思議。映画はビジネスという側面は大きいわけで、特にアメリカではそうだと思うから、よほど大コケしない限り儲かるように計画して製作しているはず。どういう仕組みなんだろう。シャマランがまた出ているとか、もうどうでも良いわ。でも、アメリカでは受けるのか。

 唯一良かったのは、訪問者のリーダーのような男レナードを演じたデイヴ・バウティスタ。マッチョな肉体派アクション演技だけでなく、感情を伝える繊細な演技もいけることを証明した感じ。

 銃は、主人公カップルが護身用にガン・ショップで購入するH&KのP30。セリフでも出てくるので、脚本で指定されていたのだろう。しかし、それより農具のような手作り武器の方がずっと恐い。それでもこういう状況になると、銃しか助かる手はないように思える。

 製作に中国の名があって、養子でもらわれてくる子が中国人らしい女の子であることが腑に落ちた。

 公開13日目の平日の初回(といっても、すでに小スクリーンで1日2回という縮小上映)、日本橋の劇場は17〜18分前に開場。観客層は意外と中年男性が多かった。シャマラン・ファン? シャマラン作品に懲りていない人たち? 最終的には110席に14〜15人というところ。若い男性は1か2人、中年男性が6人ほど、中年女性が4人くらい、高齢男性が2人くらいという感じ。女性は高齢になると映画を見なくなるのだろうか。めったに見かけないが……。いずれにしても、平日、初回としては多いのかも。

 CM・予告の途中で半暗になって、マスク・エチケットがあって予告が続き、マナー、足元注意、フル・サイズの映画泥棒、映倫から暗くなって本編へ。冒頭はちょっと古いパターンのユニバーサルのロゴから、黒バックに黄色文字のクレジット。

 かなり残酷だと思うが、日本ではG指定(だれでも見ることができる)。

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