2023年4月23日(日)「AIR/エア」

AIR・2023・米・1時間52分(IMDbでは1時間51分)

日本語字幕:手書き風書体下、林 大介/ビスタ・サイズ(欧ビスタくらいで上映、ドルビーVISION、IMDbでは1.85、Arri ALEXA 35)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル)
(米R指定)

公式サイト
https://warnerbros.co.jp/movie/air/
(情報少、全国の劇場リストはあり)

76点

前へ一覧へ次へ
 面白かった。ビジネス一発逆転成功物語。しかも実話。ボクらが良く知っているもののストーリー。これはアメリカ人だったら誇らしく、より楽しめる映画だろう。IMDbでは7.7点の高評価。

 1984年当時の出来事やファッション、映画、流行、ヒット曲などが盛り込まれていて、その点からも楽しめる。VHSのビデオ・テープ! こんなのが流行っていたんだなあと懐かしい気持ちにもなる。当時のアメリカでのバスケット・シューズのシェアなども興味深かったし、その3社の特徴も興味深かった。背の低いボク的にはバスケは縁がなく、むしろテニス・プレーヤーのアーサー・アッシュのラケットのコマーシャルなんかが面白かったし、ナイキの会社にジミー・コナーズの写真があったのも面白かった。

 パターンではあるものの、良くできた物語、構成で、感動する。特にキング牧師のスピーチのエピソードはよかった。それを聞いた主人公が、自分のプレゼンもアドリブでやると。だからビジネスものとしても、3社の競合コンペで、思いの伝わるプレゼンなど、参考になるかもしれない。

 マークのスウッシュや勝利の女神ニケの話は知っていたが、スローガンの『ジャスト・ドゥ・イット』のエピソードは初めて知った。そうだったのか。ただ創業の話ではなく、一発逆転、エア・ジョーダン誕生物語なので、日本のオニツカ・タイガーとの話は出てこない。会社の壁にアジア系男性の写真が飾られているだけ。ナイキの10カ条くらいからなる社是もストーリーにうまく取り込まれていて、興味深かった。

 もちろんマット・デイモンは素晴らしい。かなり体重を増加させて撮影に臨んだようで、完全に中年のおじさんになってしまっている。ベン・アフレックもいいが、クリス・タッカーはコメディアンのイメージが強すぎて、ちょっと合わないような気はした。一番良かったのは、上司のストラッサーを演じたジェイソン・ベイトマン。「消されたヘッドライン」(State of Play・2009・米/英/仏)でベン・アフレックと共演している。コミカルな役か悪役かという感じだが、本作はいい人で、いい味を出していた。

 公開17日目の初回(といってもほぼお昼)、銀座の劇場は、15分前くらいに開場。着いた時点で席は完売の表示。観客層は若い人から中年くらいまでが多く、男女比はほぼ半々。シューズというかスニーカーの話になると、やはり若い人寄りということになるのだろう。ボクも最初は見ないつもりだった。もちろん最終的に151席ほぼすべてが埋まった。

 シネマチャンネルの後、マスク・エチケットから半暗になり、非常口ランプが消えて、予告へ。そして忘れ物注意で暗くなり、まだ入ってくるヤツがいたが、足元注意の枠付き映画泥棒、映倫で、映写機の左右マスク1.66くらいの感じで本編へ。ワーナー・ブラザースのロゴの後はアマゾンのロゴ!


前へ一覧へ次へ