ゲームのポイント、要素を取り込み、ツボを外さない楽しい映画。キャラクターだけ借りて、まったく別の作品を作り上げるということもある中、やはり任天堂代表取締役がプロデューサーを務めていることもあって、日本のファンの期待は裏切らない。構成はハリウッド映画のパターンという気もするが、映画が終わった後、あちこちで楽しげな笑い声が上がり、誰もが笑顔というのは、良い映画ということではないだろうか。 キャラクターはもちろんゲームのままで、カラフルな世界での大冒険物語。ちょっとキャラが子供っぽいところはあるが、もともと解像度の低い粗いドットのキャラクターとして生まれたのだからしようがない。ヘンに変えていないところがいい。ドンキー・コングもあって、マリオ・カートもあって、楽しさ満載。ただ、ピーチ姫は助けを待つだけの存在ではなく、軍を率いて自ら戦う今風のキャラになっている。まるでジャンヌ・ダルク的な。それがまた面白さをアップしている。 キャラクター以外は写実的、フォト・リアルで実写のよう。その辺のレベルも高い。とにかく絵がきれい。音もクリアで良く回っていた。 アメリカ版の声の出演は、マリオが「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(Guardians of the Galaxy・2014・米)シリーズや「ジュラシック・ワールド」(Jurassic World・2015・米)シリーズのクリス・プラット、ピーチ姫が「マローボーン家の掟」(Marrowbone・2017・西/米)や「ラストナイト・イン・ソーホー」(Last Night in Soho・2021・英/中)のアニャ・テイラー=ジョイ、クッパが「スクール・オブ・ロック」(School of Rock・2003・米/独)や「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」(Jumanji: Welcome to the Jungle・2017・米)のジャック・ブラックと豪華。 公開2日目の字幕版ATMOS上映初回、銀座の劇場は22〜23分前に開場。字幕版なので観客層は若い人もいて幅広かったが、メインは中高年。下は小学1年生くらいからいたが、それらはほぼ外国のファミリー。長い歴史を持つゲームだけに、やはり大人にも懐かしいキャラとして根強い人気を持っているということだろう。女性は中年層くらいまでで、およそ1/3ほど。最終的には395席の9割ほどが埋まった。9席×2列のプレミアム席も2席ほどを残してすべて埋まった。朝早い回でもさすが人気作、すばらしい。 CM・予告の途中で半暗に七里、非常口ランプが消え、マナー、忘れ物注意からニンテンドーのCMが入って、暗くなり、映写機のマスクが左右に広がり、TCXデモ、ATMOS CG版デモ、足元注意の、フル・サイズで映画泥棒、映倫で、本編へ。 入場者プレゼントで、封がされたステッカー入りの非売品『ハテナブック』をもらった。 |