2023年5月16日(火)「The Witch/魔女」(再映)

THE WITCH: PART 1. THE SUBVERSION・2018・韓・2時間05分

日本語字幕:丸ゴシック体下、福留友子/シネスコ・サイズ(表記なし、IMDbでは2.35)/音響表記なし(IMDbではドルビー・デジタル)
(韓15指定、日R15+指定)


76点

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 面白かった。血まみれで、バイオレンスが半端ないけれど、ほど良い笑いと超絶アクションも満載。大冒険的な展開で、最後まで観客を飽きさせない。感情も良く伝わってくる。そして、驚きのどんでん返しも! ただ、ちょっと長いかな。

 2018年の公開時は、見たかったのだが、劇場が嫌でパス。今回、続編が公開されるというので、急きょ(?)1週間限定とかで再上映となったらしい。で、劇場も広めで新しいところになったので、ビデオで見るよりはと、見ることに。見て良かった。

 物語のパターンとしては、よくあるヤツ。こちらの方が後だが「SEOBOK/ソボク」(Seobok・2021・韓)とか、「オオカミ狩り」(Project Wolf Hunting・2022・韓)とか。これらが参考にしている可能性もあるが、とにかく1つのパターンではあるかなと。しかし、それでも面白いのは、たぶん前半の記憶がないときの普通のドラマがしっかり撮られているからだろう、最初にヤバイ映画だぞと血まみれのシーンを見せておきながら、一転、いかにもありそうな田舎の女子高生の今を実寸大で描いている。そのまま青春ものになりそうなくらい。

 とにかく俳優陣が素晴らしい。迫真の演技で、リアリティがあり、ホントにいそうな感じ。特に良かったのは主人公を演じたキム・ダミ。新人のようだが、素晴らしい演技力。激しいアクションの最中、余裕を表現するため微笑んでいるのだが、力の入ったシーンでこれは超むずかしいはず。それを難無く、自然にやっているように見える。本当に超人なのでは? 公式サイトが見当たらないので良くわからないが、親友のミョンヒを演じたコ・ミンシもよかったし、イケメンの男性能力者を演じた、割りとよく見かけるチェ・ウシク、同僚のちょっと日本人っぽい印象もあった女性能力者チョン・ダウン、そして研究者のボス、ペクを演じたチョ・ミンスもよかった。だいたい女性の方がイイ感じがする。日本でここまでできる人がいるかなあ。

 脚本も書いているすごい監督はパク・フンジョン。最初は脚本だけ手がけていたようで、ボクが見た作品だと「悪魔を見た」(I Saw the Devil・2011・韓)の脚本を手がけている。なるほどという感じ。バイオレンス系の強い人のようだ。もちろん続編の脚本と監督も務めていて、今後も注目かなと。

 銃は、警察がノーマルのグロック、悪い奴らがポンプ・ショットガンにサウンド・サプレッサー付きのベレッタ92、コンペンセーターの付いた長いグロックなど。サングラスのボスがデザート・イーグルをショルダーに吊っている。

 それと、悪いヤツが意外とたばこ吸っていたなあ。10年前も現在の設定でも。

 どうやら再上映は5/12から5/18までの7日間だった模様。それも1日1回上映。ちょっともったいない気も。見応えのある良い映画なのになあ。家のテレビやPCのモニターだと…… ましてケータイの画面では…… と思うのは今やロートル(死語?)だけか。5日目の夕方、新宿は10分前開場で、すぐに入ったがすでに案内や予告を上映中。誰のために流しているんだろう。ピントや音量調整か? 観客層は、若い人もいたが、メインは高齢者という感じ。男女比は最初女性が多かったが男性も増えて、最終的には5.5対4.5くらいでやや男性が多かった。めずらしく高齢女性もいた。入りとしては、232席に40人くらいいただろうか。ほとんど宣伝もしていない再上映で、これは良い方ではないだろうか。近ければ、5時の会社終わりで来た人もいたのではないだろうか。とはいえ、知らない人が多かった気はする。絶対お得だったと思うけどなあ。

 スクリーンはシネスコ・サイズで開いており、CM・予告の途中で半暗になり、色や画質の良くないQPのCMなどをはさみつつ、映画泥棒や映倫も入って、ラストに「魔女」続編の予告から、映写機のマスクが左右に広がり、暗くなって本編へ。


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