2023年7月16日(日)「君たちはどう生きるか」

2023・日・2時間04分

ビスタ・サイズ(ドルビーVISION。IMDbでは1.85)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、IMAX 6-Trackも)
(IMAX版、ATMOS上映、一部日本語字幕付き上映もあり、『HELLO! MOVIE』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド・聴覚障害者用日本語字幕付き)

公式サイトはない模様

76点


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 やっぱり宮崎アニメ。見せるなあ。しっかりとした冒険ファンタジー。面白かった。タイトルからお説教くさいものかもと思ったが、そんなことはなかった。物語の中で主人公が読んで感動する本が『君たちはどう生きるか』だったということだった。絵もきれい。印象的。動きも自然でスムーズ。

 とにかく驚かされるのは、宮崎駿監督のイマジネーション、想像力そして創造力の豊かさ。底なし、限りがないんだなあと。戦時中のありふれたドラマから、とんでもない展開を見せる。人間は複数の穴や模様の中に顔を見つけ出す本能的なものを持っているらしいが、本作を見ていると、ジブリ・アニメというか、少なくとも宮崎アニメのいろんな作品の引用というか、オマージュ的なものを勝手に見いだしてしまう。展開にも、キャラクターにも、背景の中にも。それから言えば、宮崎アニメの集大成、総決算的なものに見える、感じる。

 公式サイトもないようなので、具体的な声優陣もわからないが、ラストのエンド・ロールを見ると有名人の名が多い。木村拓哉は見なくてもわかった。IMDbには14人くらいがリストされている。柴崎コウ、菅田将輝、火野正平、木村佳乃、あいみょん、風吹ジュン、竹下景子、大竹しのぶ、滝沢カレン……などなど。すごいなあ。

 まったく広告や予告を行わないという戦略。宮崎駿作品だからできたことだろう。宮崎駿ファンやジブリ・ファンはどんなものでも見るだろうが、ボクはちょっと迷った。お説教くさかったらどうしようとか、老人的な凝り固まったものだったらどうしようとか。結果、まったくそんなことはなく、ファンでなくてもしっかり楽しめるものだった。見て良かったが、そんな賭けのようなことをしなくても、楽しみにして見ることができるように、せめてあらすじとか、概要くらいは事前に明かして欲しかった。早めにチケットを買うとか予約して、当日を楽しみに待つというのも映画の楽しみ方だと思うんだけどなあ。

 公開3日目のATMOS上映初回、新宿の劇場は25分前くらいに開場。早っ! 当然のように観客層は若い人から中高年まで幅広く、男女比も半々くらい。大ヒット映画のパターン。ファミリー層もチラホラ。下は親に連れられた小学校低学年の男の子、幼稚園くらいの女の子。日本語だから大丈夫か。外国人の姿もあった。劇場に着いた時点で、残席わずかの黄色表示。最終的には499席の98%くらい、つまりほぼ満席。9席×2列のプレミアム・シートも2席が空いていたくらい。すごい。

 まあ正直、宮崎駿作品ならまた見たい。

 シネマ・チャンネルの後、マスク・エチケット(していない人が多かったけど)から半暗になり、CM、非常口案内、ちびゴジラの予告と続いて、マナー、忘れ物注意。暗くなり、映写機の左右マスクでドルビーATMOSデモ、足下注意、枠付きの映画泥棒、映倫と続いて、本編へ。

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