2023年7月22日(土)「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」

MISSION: IMPOSSIBLE - DEAD RECKONING - PART ONE・2023・米・2時間43分

日本語字幕:手書き風書体下、戸田奈津子/シネスコ・サイズ(Panavision、IMDbでは2.39、ドルビーVISION、Sony CineAlta Venice)/ドルビーATMOS(IMDbではdts:Xも)
(米PG-13指定)(日本語吹替版、IMAX版、ATMOS上映、4D上映もあり)

公式サイト
https://missionimpossible.jp
(情報少、全国の劇場リストはあり)

78点


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 凄い映画! 圧倒された。163分間ちっとも休まない。アクションの連続。アクションでストーリーを語るタイプの映画。とてもお金が掛かっていて、豪華。ほとんど007映画のようで、世界をまたにかけてイーサンとチームが大活躍。公の場所のように見えるところでの大胆なロケ、たくさん潰される車やバイク、そしてオリエント急行(「ロシアより愛を込めて」へのオマージュ?)。たくさんのCGスタッフにスタント・ピープル。

 ボク的にはTV版への原点回帰的にも感じられた。映画版は組織内の裏切り的な話が多くて、辟易とするところがあったが、本作はカセット・テープで指令があって、自動消滅し、任務遂行に挑む。メンバー選択はなく、いつものメンバーだったけれど。

 テーマというか今回の敵もイイ。A.I.、本作では「エンティティ」(字幕では“それ”)人工知能。いよいよA.I.が身近になってきた昨今、暴走は現実的な問題となってきた。しかも今アメリカの俳優・脚本家協会が争っているのがA.I.を使った製作の問題。「ターミネーター」的な世界につながる話で、さらに言えば、押井守監督が「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」(1995・日)で描いたような世界も近づいているのかも。世界の至る所にカメラがあり、ネットにつながっていて、顔認証、消去、生成などが自在にできる。TVドラマ「パーソン・オブ・インタレスト」(Person of Interest・2011〜2016・米)で描かれたシステムも実際に存在するといわれているし……。ここで重要になるのがアナログな世界。ネットにつながっていないコンピューターと無線による通信なら傍受されない(?)と。

 これだけ盛りだくさんで163分間もあるのに、話は終わらない。「前編」じゃなくて「パート1」ということは、3部作とか?

 とにかくトム・クルーズがあまりに凄すぎて、どこからCGでどこまで実写なのか、わからない。BDとかが発売されたらメイキングが付いてくるのだろうか。ぜひ見てみたい。女性陣も皆アクションをがんばっている。ただ、ちょっとキャラに揺らぎはあったようで、前作で素晴らしかった強い女、ヴァネッサ・カーヴィー演じるホワイト・ウィドウがちょっと弱くなってしまったかなと。その分、今回はアジア系っぽい感じのするポム・クレメンティエフ演じる殺し屋パリスが大活躍。無表情で過激アクションをこなす感じが素晴らしい。

 監督は前作から引き続きクリストファー・マッカリー。「ワルキューレ」(Valkyrie・2008・米/独ほか)あたりからトム・クルーズと組んでいる模様。脚本だけという作品も多い。ボク的には初期のベニチオ・デル・トロの「誘拐犯」(The Way of the Gun・2001・米)も面白かった。「アウトロー」(Jack Reacher・2012・米)も撮っているので、アクションはうまい人のよう。続編も楽しみ。

 銃は、トム・クルーズがまず1911オートを持って登場。そして砂漠でレベッカ・ファーガソンが使うスナイパー・ライフルが、imfdbによるとアキュラシー・インターナショナルのAX308。確かにレシーバーが角張っていた。その敵はAK、M4カービン、SG552、FALなどで、imfdbによるとVz58コンパクトも出ていたらしい。レシーバーというかボルト・キャリアーに傾斜面があるやつがあった気がする。CIAはレール付きのP226。ほかにHK416、ベレッタ92なども。またオリエント急行と言えば「ロシアより愛を込めて」(From Russia with Love・1963・英/米)ということでか、サプレッサー付きのPPKも出てくる。オマージュだろうか。ほかにハイパワーも使われていた。

 公開2日目の通常版初回、日比谷の劇場は25分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで幅広い。男女比もほぼ半々。大ヒットのパターン。さすがだなあ。意外と高齢女性も見かけた。若い人は大学生くらいから。高校生や中学生は映画を見ないのだろうか。ネット? 劇場に着いた時点で、残席わずかの黄色表示。IMAXなどほかの上映スクリーンもだいたい黄色表示。10席のラグジュアリー席(+3,000円!)はよく見えなかったが、たぶん4〜5人座っていた。10席×2列のプレミアム席(+1,000円)は2席くらいを残して埋まった。そして最終的に456席はおそらく95〜98%くらいが埋まり、ほぼ満席。トム・クルーズ、すごい!

 続編の予告はなく、普通の終わり方。その辺もあっさりしていて、押しつけがましくなく、いい感じ。事件的には解決していないが、これで終わっても取りあえずはイイかなと。

 上映の9分前くらいからシネマ・チャンネル。その後、半暗になってCM・非常口案内、予告が続き、マナー、忘れ物注意、ルイ・ヴィトンのCMで暗くなって、映写機のマスクが左右に広がりフル・サイズになってTCXデモ。足元注意、映画泥棒、映倫で、本編前にトム・クルーズとクリストファー・マッカリー監督のビデオ・メッセージがあり「楽しんで」と。「日本に行けなくてごめんね」なんてひと言があったら最高だったが、ストライキ決定前に撮影されたらしく、しようがない。でもメッセージがあっただけでも嬉しかった。

 ちなみに、マスクは1/3くらいの人がしていなかった。


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