面白かった。感動した。ただ主人公の信(シン、山ざき賢人)が活躍する戦闘シーンの展開は、前作の「キングダム2 遙かなる大地へ」(2022・日)とあまり変わらない感じ。撮影は大変だっただろうし、そのクォリティは決して低くないというか素晴らしいのに、物語的な展開がちょっと…… そして、物語はまだまだ、いくらでも続く感じ。中華統一のその日まで。なにしろ原作漫画も連載中で完結していないのだから。映画的にはどうなるんだろう。 特に良かったのは、前作であまり出番のなかった秦王、えい政(エイセイ、吉沢亮)と彼を助ける紫夏(シカ、杏)のエピソード。パターンとは言え、泣かされた。回りでも多くの人が鼻をすすったり、涙を拭ったりしていた。西部劇のような風景と、西部劇のような展開のアクションもありつつ、ドラマが見事。感情が良く伝わってくる。もちろん吉沢亮と杏が素晴らしいが、紫夏の相棒、亜門(アモン)を演じた浅利陽介も良かった。このキャラもパターンかもしれないが心に残る。良い味を出していた。 武将たちの中で良かったのは、ほとんど本作では活躍しないが、趙国軍の将軍、万極(マンゴク)を演じた山田裕貴。わずかのシーンで、ただならぬ雰囲気を醸し出している。この人、すごなあ。次作で大暴れするのだろうか。そしてラストのたぶん吉川晃司。なんだか「るろうに剣心」(2012・日)みたいになってきたような……。 ひとつ気になったのは、信の100人隊に名称を与えるシーン。こういう命名の時は、携帯用の筆を取り出して、懐紙とか何かの紙に、書いて渡すのではないかと。なにしろ発声するだけでは漢字がわからない。観客ももちろんわからない。字幕も出なかった。あとで公式サイトを見て「ひしんたい」は「飛信隊」だと知ったような次第。これってどうなんだろう。そして「運命の炎」の炎をあまり感じなかったけど……。 公開2日目のATMOS上映初回、40分前くらいに着いてコーヒーを飲んでいたら、27〜28分前には開場。観客層は若い人から中高年まで幅広く、男女比もほぼ半々で、大ヒット映画のパターン。幼稚園くらいに見える女の子を連れたファミリーもいたが、ちゃんと楽しめるのだろうか。小学生くらいの子供もいたが、それくらいになればわかるか。中学、高校くらいはゼロ。若い人のメインは大学生という感じ。着いた時点では残席ありの白表示だったが、最終的には395席の95%くらいが埋まり、ほぼ満席。9席×2列のプレミアム席もたぶん満席。すばらしい。 また映画館で「映画館へ行こう」キャンペーンをやっていたけど、もう映画館に来てるって。シネマ・チャンネルのあと半暗になり、CM・予告が続いて、忘れ物注意からヴィトンのCMで暗くなって、映写機のマスクが左右に広がり、シネスコ・フル・サイズに。TCXデモ、幾何学図形のATMOSデモ、足元注意、映画泥棒、映倫で、本編へ。 |