すごくお金のかかった子供向けロボット格闘映画、という感じ。もともとの設定に無理があるわけで、科学的な設定に基づいたSF映画というふうに見ると、たぶん評価はできない。それより子供向けに「チームで力を合わせることが大切」と説いたファンタジーと捉えるなら、これで良いのではないかと。ただ、半端なくお金がかかっていて、たぶん最先端の技術が惜しみなく注ぎ込まれている。想像を超えるような大変な数のCGスタッフも携わっている。それがちょっともったいない気はした。 とにかく3D-CGがすごい。それは見る価値がある。点数のほとんどはこの3D-CGで、そこに大迫力の立体音響も加わるかな。最新の音響設備の劇場だと、重低音が振動に感じられるほどの大迫力。CGはあまりにリアルで、もはやCGショーという感じさえ希薄。合成とかそういうレベルではなく、そこにあるものをそのまま撮影したかのような感じ。ここまでリアルになってくると、戦いで壊された建物や道路、遺跡などが気になる。大損害だ。そしてサイズ感がちょっと気になる。トランスワープ・キーって、人間が持ったときと、トランスフォーマーが持ったときで、大きさ変わってない? ヨタ・ヘルツ? ギガとかテラの上の10の24乗の? 物語的にはちっとも納得できず、荒唐無稽以外の何ものでもない気がするが、ファンタジーなのだからいちいち目くじら立ててもしようがない。惑星を食べる? 動物の姿をした機械生命体? トランスフォームしていたっけ? 地球外生命体で、なぜ地球の動物に? しかも動物の形状だけで外観はサイボーグみたいだし、スケールが大きいから擬態していることにならないし、なぜこの姿? とか思ってもしようがない。それとラップ・ミュージックを入れすぎ? 監督のスティーヴン・ケイプル・Jrは、主にTVで活躍していた人で、「クリード 炎の宿敵」(Creed II・2018・米)の監督に抜擢され、そのあとTV版のアニメ「トランスフォーマー」を撮って本作につながるらしい。日本劇場公開作は本作とその2本。「クリード……」を見ていないので、何とも言えないが、どうなんだろう。 銃は、トランスフォーマーに搭載されているバルカン砲のようなもののみ。ほとんど人間が戦わないので、出てこない。残念。これだけド派手な戦いで、あちこち破壊しまくって、人間は戦わないと。 公開2日目の、ノーマル字幕版初回、日比谷の劇場は残席少々の黄色表示になっている作品はわずかなのに、若い女性でごった返していた。たいていは「マイ・エレメント」のパネルの前で写真を撮っていたが、「マイ・エレメント」の日本語吹替声優の舞台挨拶でもあったのだろうか。そういえば取材陣もたくさん来ていたなあ……。 15分前くらいに開場。観客層は若い人から中高年まで幅広かったが、ロボット世代なのか高齢者が多め。女性は1/4ほど。そして関係者らしい人が1人。最終的には257席に7.5割くらいの入り。8席のプレミアム席はすべて埋まった。すごいなあ。 シネマ・チャンネルのあと半暗になって、CM・予告から、「スパイ・ファミリー」のマナー、忘れ物注意で暗くなり(もうケーテイを点けるな!)、映写機のマスクが左右に広がってフル・サイズになり、足下注意の映画泥棒、映倫と続いて本編へ。 トランスフォーマーのデジタル・ポスターをもらえるCRコードが印刷されたカードをもらったけど、なんか面倒くさそう。いいか。 |