2023年9月2日(土)「PATHAAN/パターン」

PATHAAN・2023・印・2時間26分

日本語字幕:丸ゴシック体下、藤井美佳/シネスコ・サイズ(IMAX。IMDbでは2.39、Arri ALEXA LF)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・サラウンド7.1、dts-8も)
(印UA指定)(IMAX版もあり)

公式サイト
https://pathaan-movie.com
(全国の劇場リストもあり)

73点


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 インドらしいスパイ・アクション。インド版007と言っても良いかも。つまりは、世界中が007を作りたいのだろう。インド的超人、スーパー・ヒーローによる大活躍によって、インドをトンでもないテロから守り抜いたと。もちろんインド映画だから、血なまぐさいアクションに、絶世の美女と、歌と、群舞が彩りを添える。そしてやたら長い。話がさかのぼって、そこからさらにさかのぼるから、いつの話かよくわからなくなる。

 インド映画のパターンではあるけれど、ほぼ全編過激なアクションで、撮るのは大変だっただろうなと思う。映画は同じことを何度もやらなければならない。だからアクション映画は大変なわけだが、特に本作はどのシーンも複雑で危険なのに、何度も何度も同じテンションで時間をかけて撮影している。その上でCGも使いまくり。技術的には凄いことになっている。トム・クルーズの「デッドレコニング」のような鉄橋から列車が落ちるシーンもあるし。

 ただそれと、感情が良く伝わってきて感動できたかとか、のめり込んで観られたかというのは別の話。日本人的な感覚の差だろう、凄いんだけれど芝居がかっている感じがして、なかなか伝わってこなかった。

 ボクはあまりインド映画を見ないのでよくわからないが、主演はシャー・ルク・カーンという人。ちょっと日本のアイドル・グループV6の岡田准一とにちょっと森田剛を混ぜたような感じもする。インドのスーパー・スターだそうだが、かなり危険なアクション・シーンも自身で演じているよう。筋肉ムキムキ。結構多くの出演作品が日本で劇場公開されているよう。長髪のギャグは笑った。

 ヒロインはモデル出身のディーピカー・パードゥコーンという人。どこかで見たことがあると思ったら、「パドマーワト 女神の誕生」(Padmaavat・2018・印)に出ていた。古くは「チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ」(Chandni Chowk to China・2009・印/米)にも出ているそう。とにかく美人で、アクションもがんばっている。

 敵役はジョン・エイブラハム。モデル出身だそうで、ヒゲがないとこちらの方が良い人という感じ。こちらも筋肉ムキムキ。ただシャー・ルク・カーンと違って血まみれになったり、髪がボサボサになったりはしていないので、よけいにヒーローっぽい。

 監督・脚本は、シッダールト・アーナンド。強烈なアクション作品の「バンバン!」(Bang Bang・2014・印)や「WAR ウォー!!」(War・2019・印)を手がけている人。なるほどアクションがうまいわけだ。

 銃は、ちらりとしか出てこないものも多く、いわゆるプロップもあったようで、正体が見極められないものが多かった。わかったものでは、AK、ベレッタ92、ウインチェスター1897らしいポンプ・ショットガン、DShK38系の重機関銃、M4カービン、FN P90らしい小型銃、グロック、P226、G36CかUMPっぽい銃、USPらしい銃、ルーマニアのクジール92に似た銃、MP5、ウージー、ワルサーP99、クリス・ヴェクター、などなど、たくさん。銃ではないが、テロリストの定番、RPGも。

 スパイ組織の設立のコンセプトで、日本の「金継ぎ」が出てくるのには驚いた。割れた破片をつなぎなおして、時には前より良くすると。

 途中、インターミッションと出るがそのまま上映。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は10分くらい前に開場。すぐに入ったが、すでに予告編を上映中。うーん、誰のために流しているんだろう。人がいないのに。観客層は中高年がメイン。男女比は4.5対5.5くらいで、ちょっと女性の方が多め。ふくよかなオバサンが多かった気がしたが、これはインド映画の傾向だろうか。最終的には232席に6割くらいの入り。外国人らしい男性も1人見かけた。

 スクリーンはシネスコで開いており、CM・予告の途中で半暗になり、映画泥棒、映倫などをはさみ、映写機のマスクが左右に広がりフルサイズになって、暗くなり、マナーから本編へ。

 入場プレゼントで、シャー・ルク・カーンとディーピカー・パードゥコーンの両面写真カード(ポストカード・サイズ)をもらった。


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