2023年9月17日(日)「グランツーリスモ」

GRAN TURISMO・2023・米/日・2時間14分

日本語字幕:丸ゴシック体下、アンゼたかし/ビスタ・サイズ(ドルビーVISION、IMAX、ScreenX。IMDbでは1.85、IMAXは1.90、Red、Sony CineAlta Venice 2 IMAX)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、TMH Labs 10.2チャンネル・サウンド、IMAX 6-Track、12-Trackデジタル・サウンドも)
(米PG-13指定)(日本語吹替版、IMAX版、ScreenX版、4D上映、ATMOS上映もあり)

公式サイト
https://www.gt-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

76点


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 堂々たる「スポ根」映画。そしてスリリングで手に汗握るカー・レース映画。どちらにしてもよくできていて楽しめる。発掘、師匠、敵対者、試練、挑戦、成長、挫折、リベンジ、栄光…… たぶんスポ根ものに必要な要素が全て盛り込まれている。それはいわばパターンで、よくあるものだが、実際のレースとゲームという新しい関係と、ハイテクCG技術を持ち込む事で、古さを感じさせないスポ根映画に仕上がった。ハラハラ、ドキドキ、興奮するし、チャレンジする若者の姿に感動する。

 もちろん日本は重要なポイントだが、ほどよい敬意を表しつつ、とてもグローバルな感覚に仕上がっていて、それも良かったと思う。クセのある日本語が飛び交うよりは、ずっと良かった。ゲイシャもフンドシもフジヤマもなし。

 主人公を演じたアーチー・マデクウィは「ミッドサマー」(Midsommar・2019・米/スウェーデン)に出ていたそうだが、ボクは見ていない。しかし観客が感情移入しやすいキャラクターになっていて良かった。そして何より良かったのは、鬼教官的役割のチーフ・エンジニアのジャック・ソルターを演じたデヴィッド・ハーバーがいい。なにしろイイ役回りだし、その雰囲気にピッタリ。カミナリ親父的存在。良いなあ。「バイオレント・ナイト」(Violent Night・2022・米/加)のメタボなサンタもめちゃくちゃ良かった。同じ人には見えないくらい。さすが役者。

 監督は、あの強烈だったSFアクション「第9地区」(District 9・2009・南ア/米ほか)のニール・ブロムカンプ。「エリジウム」(Elysium・2013・米/加)とか「チャッピー」(Chappie・2015・米)とかSF系の人だと思っていたら、やっぱり実力のある人はこういうのも撮れるんだなあと。ただ、見ていないけれど、「デモニック」(Demonic・2021・米/加)というSFホラー作品は不評だったようで、日本では〈未体験ゾーン〉での公開だった……。本作でリベンジした感じだろうか。

 公開3日目の初回、日比谷の劇場は18〜19分前くらいに開場。観客層はオリジナルのゲームにはまった人たちなのか、中高年がメイン。若い人も少しいたが、女性は3割くらい。中学生3人組という感じのグループや、中学1年くらいの男の子を連れた母なども。最終的には395席に7.5割くらいの入り。9席×2列あったプレミアム席は2席ほどを残して埋まった。すごいなあ、ATMOS上映というだけですでに200円高いのに。

 シネマ・チャンネルのあと半暗になって、CM、非常口案内からランプが消え、予告の上映。その後SPY×FAMILYのマナーで暗くなり、ビスタ・サイズのままATMOSのCG幾何学模様的デモ、足元注意、枠付きの映画泥棒、映倫と続いて、映写機の左右マスクのまま本編へ。


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