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ほぼ全編アクションで、戦いっぱなし。説明的なセリフなどはほとんどなし。キアヌー・リーブスなんかほぼ「イエー」だけ!? しかも3時間近い長尺。驚かされるのは、それでちゃんとストーリーが伝わり、感情も良く伝わってくること。これは希有なことだと思う。スゴイ。ちょっとウエスタン風の曲なども使われていて、その辺も面白い。 アクションで構成されているため、長尺を感じさせない。しかもそのアクションも単調にならないよう、銃を撃ちまくったり、ナイフで切りまくったり、殴ったり蹴りまくっている。撃つのも、銃種を換えたり、相手を換えたり、アングルを変えたり、さまざまな工夫が凝らされている。そして何より画がきれい。ちゃんと映像のプロというか、アーティストが撮った画になっているそれが良い。そして、登場人物それぞれのキャラが良く立っている。個性的で、際立っていて、それぞれに深いバック・ストーリーがありそうに見える。ここも重要なポイントだろう。そして、第1作からずっと、犬は大切なパートナー。これも面白く、映画作りがうまいなあ、と。 あえて粗を探せば、日本の表現はハリウッドならではの変な日本かなあ。漢字のスローガンのようなものがあちこちにあり、漢字が好きなんだろうけれど、あり得ない。残念！ 印象に残ったのは4人。まず悪のボス、ビル・スカルスガルド。狡猾で冷血な感じが素晴らしかった。あのステラン・スカルスガルドの息子だ。傑作青春ホラー「IT／イット “それ”が見えたら、終わり。」（It・2017・米／加）でピエロを演じていた。やはり上手い人だった。 そして犬と一緒にジョン・ウィックを追うMr.ノーボディを演じたシャミア・アンダーソン。役柄が良かったのもあるが、レバー・アクションの取り扱いがうまく、いい雰囲気を醸し出していた。 また、天国と地獄というクラブにいる金歯のギャングのボス、キーラを演じたスコット・アドキンス。ただのポッチャリではなく、格闘シーンでキレッキレの動きを見せている。どうやら特殊メイクでポッチャリになっていただけで、本当は細身のイケメン。公式サイトによれば、俳優だけでなく、スタントマンや武道家としても活躍しているのだそう。なるほど納得。「イップ・マン完結」（Yip Man 4・2019・香／中）でドニー・イェンと共演している。 最後に、真田広之の娘を演じた、今回の紅一点ともいうべきリナ・サワヤマも素晴らしかった。演出が上手いからだとは思うが、格闘技も良かった。特訓したのだろう、ちゃんとそれらしく見えた。なんと劇場長編映画は初めての出演とか。すらりとしてスタイルが良く、できるビジネス・ウーマンという感じと、クールな感じが見事だった。 銃は、グロック・カスタム、S&WのM&P、M4カービン系、ノーマル・グロック、ロング・スライド・グロック、ドニー・イェンが使うP365カスタム、マーリン1894カスタム、ソウドオフ水平二連ショットガン、S&W500マグナム、TTIのピット・ヴァイパー、M16タイプのオート・ショットガン、TTIのドラカリス（命中すると火を吹く弾は実在し、ドラゴン・ブレスというらしい）、トンプソンSMGのM1タイプのカスタム、決闘で使われるトンプソン・センター・アームズの中折れ単発銃など。キアヌー・リーブスのマガジン・チェンジは空マガジンを振って飛ばすやり方。これがカッコイイ。勢いや強い意思も感じさせる。良かった。 公開2日目のATMOS上映初回、新宿の劇場は15分前くらいに開場。他にも話題作があったのか、ロビーはかなりの混雑。観客層は中高年がメインながら、そこそこ若い人もいた。男女比は5.5対4.5くらいでちょっと男性の方が多め。ガン・アクションにしては女性も多いか。最終的には499席に8.5〜9割くらいの入り。9席×2列のプレミアム席はたぶん全席埋まった。すごいなあ。 シネマ・チャンネルのあと半暗になり、非常口ランプが消えて、予告。ラストにスパイ・ファミリーのマナー、忘れ物注意があって暗くなり、映写機のマスクが左右に広がり、TCXデモ、トルビーATMOSデモと続き、足下注意の映画泥棒、映倫から、日本語によるこれまでのジョン・ウィック・シリーズ1作目からのおさらいがあって、本編へ。 入場者プレゼントで名刺大のステッカーをもらった。ただ、またまた4Dスクリーンの振動が伝わってきて、不快だった。どうにかならないのかなあ。 |