2023年10月21日(土)「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」

KILLERS OF THE FLOWER MOON・2023・米・3時間26分

日本語字幕:手書き風書体下、伊藤美和子/シネスコ・サイズ(Panavision、ドルビーVISION、IMAX。IMDbでは1.33、2.39、Arricam LT、Arricam ST、Sony CineAlta Venice)/トルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル、IMAX 6-Trackも)
(米R指定、日PG12指定)(IMAX版もあり)

公式サイト
https://kotfm-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

75点


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 長い! 1回だけ気を失いそうになった。インターミッション無しの約3時間半。膀胱が破裂しなくて良かった。意外と途中で立った人はいなかったようだ。みんなすごいなあ。準備万端だったんだろうか。そして、重い! 実話というのも重い。こんなことが行われていたなんて。平気で法を破り、人を殺してしまう人がいるという恐ろしさ。うむむ。

 1920年代の時代感が素晴らしい。主人公のアーネストが第一次世界大戦からもどったばかりで、禁酒法の時代で、密造酒を取り締まるFBI…… 南部のオクラホマ州の田舎町ではまだ西部劇の時代を引きずっていて、馬車や馬も現役で、自動車と混じり合って走っている。町並みも西部劇のようで、町中で銃を撃っている人もいる。シェリフすら法の番人とは言えない。お金持ちは蓄音機を持っている。それらがキッチリ再現されている。美しい大自然と、石油採掘の設備群や、馬や牛の大群も驚かされる。再現にはお金が掛かったんだろうなあ。テロップというか、フリップも古い映画のスタイル。

 もちろん主演を演じたレオナルド・ディカプリオ(ちょっとふっくらとした? 役作り?)も、キングのロバート・デ・ニーロも素晴らしいけれど、やはりネイティブの女性、モリー・カイルを演じたリリー・グラッドストーンがいい。素晴らしい存在感。とてもリアルな人物に見えた。そして、ほかの白人の恐ろしい人々の自然なリアルさ。凄いなあと。普通の人が平気で殺人を犯す。怖っ!

 銃は、まだSAAが現役ばりばりで、キングのところにはSAAとガンベルトがある。バーズ・ヘッド・グリップを取り付けたものも出てくる。だいたいはシルバー。戦争の後なので1911オートも。町中で鐘を撃っていたのはS&Wのミリタリー&ポリスの4インチあたりだろうか。多かった長物はウインチェスターのモデル1897ショットガン。ちらりとレミントンのモデル1912もあったような。レバー・アクションはモデル1894あたりか。銃撃による血の飛び方がリアルに見えて、恐ろしい。

 公開2日目のATMOS上映初回、新宿の劇場は10分前に開場。もうちょっと早く入れて欲しいなあ。観客層は若い人から中高年まで、割と幅広い感じ。もちろんメインは中高年。男女比は半々くらい。最終的には499席の6割くらいが埋まった。まあ、楽しい映画ではないからなあ。それても9席×2列のプレミアム席は半分くらいが埋まった。

 すぐに入場したが、すでにシネマ・チャンネルが始まっていた。非常口案内で半暗になり、CM・予告のあと、スパイ・ファミリーのマナー、忘れ物注意から暗くなって映写機のマスクが左右に広がり、フル・サイズでTCXデモ。そしてドルビーATMOSデモ、足下注意、映画泥棒で本編へ。

 またまた、ときどき4Dスクリーンの振動が伝わってきて、不快だった。


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