2023年10月29日(日)「SISU/シス 不死身の男」

SISU・2022・フィンランド/英・1時間31分

日本語字幕:丸ゴシック体下、佐藤恵子/シネスコ・サイズ(撮影機材表記なし。IMDbでは2.39、Sony Venice)/音響表記なし(公式サイトでは5.1ch、IMDbではドルビー・デジタル)
(フィンランドK-16指定、英15指定、日R15+指定)

公式サイト
https://happinet-phantom.com/sisu/
(全国の劇場リストもあり)

74点


前へ一覧へ次へ
 バイオレンス満載の戦争映画。もちろん戦争映画はバイオレンスだが、その表現がかなりエグイ。凄い。圧倒される。びっくり。そしてフィンランド映画なのに、メインの言語は英語。クレジット表記も英語。これは国際的なセールスを考えてのことだろうか。

 ジャンル的にはワンマン・アーミーもの。超人的な兵士が、ひとりで敵の部隊を全滅させると。ただ、アニメ的な超人ではなく、普通の人だけれど、超意志が強く、超痛みに強く、超回復が早い人。うーん、やっぱり普通じゃない……。ただ、不死身ではなく、死なないと。それがシスで、フィンランド語で、翻訳は不可能なのだそう。

 まあとにかく、ナイフが頭に突き刺さったり、頭が吹っ飛んだり、全身がバラバラになったり、しっかり見せる。足が血を吹きながら飛んでいったりもする。人だけでなく、馬も、粉々に。血まみれ。それは気持ちが悪くなるほど。この辺をどうとらえるかで評価は変わってくるだろう。ランボーよりサバイバル能力が高い。

 そんなに長くない作品だが、6つ(たぶん)の章だてになっていた。1章15分ほど。必要あったのだろうか。「第○章」と付けなくても、ただの見出し的に「黄金」とか「ナチス」とかだけでも良かったはずだが、なぜ章を選んだのだろう。

 銃は、1944年の設定なので、ドイツ軍の武装親衛隊はルガーP08、Kar98k、MP40、MG34などを装備。1人はKar98kに大型のスコープ(imfdbによるとZF39らしい)を取り付けている。ただマウントは斜めの支柱のちょっと変わったタイプ。パイロットはモーゼルC96を使用。戦車はソ連のT-54/T-55のようで、車載機関銃はDShK(デュシーカ)重機関銃。フィンランド軍らしい兵士は、ソ連のモシン・ナガンM1891/30らしいライフル、PPD40らしいサブマシンガン(フィンランドのスオミかとも思ったが、確かドラム・マガジンが付いていた)。戦闘機はイリューシンIL-2っぽいやつで、爆撃機はLi-2というアメリカのDC-3ベースのソ連の輸送機を爆撃機型にしたもののようなシルバーの機体の双発タイプ。それにしても、砂金を集める金属のお盆のようなもので、銃撃を防ぐのはいかがなものか。もはや超能力か魔法の世界。

 公開3日目の初回、日本橋の劇場は20数分前に開場。観客層はほとんどジジ、ババ。最初17人ほどいて全員が高齢者。女性は1人。その後、中年男性や女性もちょっと来て、最終的には404席に50人くらいの入り。若い男性は1、2人ほど。それでも12席×2列のプレミアム席に5人ほどが座った。やはり第二次世界大戦ものは、老のしかも男性中心になってしまうのだろうか。ちょっとさみしい。

 9分前くらいから始まったシネマ・チャンネルのあと半暗になり、非常口ランプが消え、予告へ。SPY×FAMILYのマナー、忘れ物注意から映写機のマスクが左右に広がり、TCXデモ、足元注意、フル・サイズの迫力の映画泥棒、映倫で、ハピネットのロゴから始まるフルの本編へ。


前へ一覧へ次へ