面白かった。そして感動した。堂々たるファンタジー、堂々たるミュージカル。このクリスマス・シーズンに、年末にピッタリのおとぎ話。奇想天外で、あり得ないけど、まっくウソくさいというわけでもない。そして想像もできないような展開が、荒唐無稽ではありながらちゃんと納得できる。この辺の微妙なバランスがうまい。なんか心がほっこりする。夢を持ち続けて、人には優しくしないとなあ。 冷静に考えてみると、かなり酷い話ではある。役人たちの酷い仕打ち。最悪の逆境。ただ、それをネガティヴに、深刻に描かず、越えるべきハードルのように描き、とにかく前向きに、諦めず、へこたれない。何度でも挑んで行くと。そして約束は絶対に守る。その姿に感動する。 もちろん主演のティモシー・シャラメはイイ。好青年。悪徳神父がローワン・アトキンソンというのも良かったが、なにより良かったのは「小さいおじさん」ウンパルンパのヒュー・グラント。最近、どちらかというと悪役が多い感じだったけれど、ちょっとワルっぽい、こんなコミカルな感じもグー!。むしろピッタリかも。 監督はイギリスで活躍するポール・キング。ボクは見ていないが「パディントン」(Padinton・2014・英/仏/米/中)シリーズの監督だそうで、本作を見る限り相当の実力の人かなと。次作も期待できそう。要チェックかも。 銃は、署長がルフォーショーらしいリボルバーを使う。 公開9日目の字幕版2回目、新宿の劇場は16〜17分前に開場。観客層は中高年が多く、若い人は少なかった。メインはオバちゃんという感じ。なので男女比は3.5対6.5くらいで女性の方が多かった。シャラメ人気か。たしかにキュートだもんなあ。最終的には407席にほぼ満席の9.5割くらいの入り。さすがの話題作。10席×2列のプレミアム席(P席)はたぶん8席ほどが埋まった。ちなみに、上映前の段階で、残席わずかの黄色表示になっていなかった作品は、「屋根裏のラジャ」と「窓ぎわのトットちゃん」のアニメ2本だけ。アニメはだいたい混むものだが、たまたまか、それとも意外と人気がないのか……。 10分前くらいからシネマ・チャンネルが流れ、半暗になって予告。この頃でもぞくぞくと人が入ってくる。もう少し早く来ればいいのに。非常口案内から非常口ランプが消えて、ゴジラから始まる予告、SPY×FAMILYのマナー、忘れ物注意、サラウンド感も凄いクォリティーの高いシャネルのCMで暗くなり、映写機のマスクが左右に広がり、フル・サイズになって、足元注意、迫力のフルの映画泥棒、映倫で、ウォーター・タワーのWBロゴから始まる本編へ。 いやあ、それにしても唐揚げの臭いはキツイなあ。正規に劇場で販売されているものとは言え、場内ではちょっと気になる。 |