2023年12月30日(土)「サンクスキビング」

THANKSGIVING・2023・米/加/豪・1時間46分

日本語字幕:手描き風書体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(in Panavision。IMDbでは2.39)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル)
(米R指定、日R18+指定)

公式サイト
https://www.thanksgiving-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

65点


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 ホラーというよりは残酷ショー。さすがに日本でR18+指定だけあって、突き刺す、切り落とす、血が噴き出すのオンパレード。指が飛び散り、内臓が飛び出し、顔が潰れ脳が飛び出す……。ものすごい残酷表現。悪趣味。たぶんそれが一番で、ストーリーはあってないようなもの。犯人は正体不明で、最後に明かされるが、ちっとも納得できず、到底1人でできる所業とも思えない。マスクを被っている理由も理解できなければ、パーティのテーブルを用意して、そこに犠牲者を並べる理由もわからない。つまり、ちっとも整合性は取れておらず、ミステリーというような部分はついでであるらしい。それで良い人には評価が高いのだろう。ボクはダメだったが、IMDbでは6.5点という評価。

 ボクがこの映画で恐ろしいと思ったのは、アメリカという国というか国民性。感謝祭の特別セール、ブラック・フライデーで起きる暴動事件。たぶんこんな感じで日本で起こることはないだろうが、アメリカだといかにもこの通りに起きそうでリアリティがあった。そしてバカ高校生の乱痴気パーティーと、そこでの振る舞い、女子を巡るライバル意識や、暴走や暴力を止めようとせずむしろ火に油を注ぐような女子の振る舞い、イジメにつながるような暴力的なヤツが幅をきかせ、宿題を弱そうなヤツにやらせたりする感じ…… といったものが、他の映画でもよく描かれていることで、アメリカなのかなあと。

 まあいちいち上げていたら切りがないが、つじつまが合わないというか、納得できない展開が多すぎ。銃砲店の親子も、最初から悪党っぽい偏見的設定。意味深な副保安官は何だったのか。「グラインドハウス」(Grindhouse・2007・米/加)の映画の中で流れていた架空の映画の予告編からとか、どうでもいいわ。

 こういう映画に「魔法にかけられて」(Enchanted・2007・米ほか)などのパトリック・デンプシーとか、「シュワルツェネッガー/レッドブル」(Red Heat・1988・米)のジーナ・ガーションが出ているとは驚き。そういえば最近あまり見かけないか……。

 銃は、鉄砲屋がすすめてくるのがデザート・イーグルと、ダーティ・ハリーの44マグナム。でもシロートだからと選んだのはP226らしいオート。しかしセフティを掛けろというセリフや、セイフティが掛かっていて撃てないシーンもあったから、違う銃だったかも。P226にマニュアル・セフティはない。麻酔弾を連射したりモしていたので、SF銃か? パレードで使われた古式銃のブランターバスは意外な活躍。警官はリボルバーで、保安官はM686風のシルバーの6インチ。一般警官は4インチくらいの黒いリボルバー、SWATはM4カービン。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は30分ほど前に劇場がオープンし、25分前くらいに開場。観客層はほとんど中高年のオヤジ。ここは往年の「銀座シネパトス」かと思うほど。最初8〜9人いて、中年らしい女性が1人のみ。まあ、でしょうね、という感じ。最終的には128席に50人いたかいないか。女性は1割くらいいたか。若い女性が1人いた。ポイント鑑賞にしておいて正解かな。

 10分ちょっと前から曲とロゴが流れ、新しい赤ドレスの福本莉子のシネマ・チャンネル。その後、半暗になってCM。非常口ランプが消え、予告。Netflixの広告のあと暗くなって、映写機のマスクが左右に広がりフル・サイズになって、迫力の映画泥棒、映倫と続いて、SONYのロゴから始まる本編へ。トライスターの白いペガサスが懐かしかった。



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