2024年1月22日(月)「ゴールデンカムイ」

GOLDEN KAMUY・2024・製作幹事:WOWOW/集英社・2時間08分(IMDbでは2時間07分)

ビスタ・サイズ(IMDbでは1.85、Red V-Raptor XL 8K VV)/音響表記無し(IMDbではドルビー・デジタル)
(日PG12指定)(IMAX版、一部日本語字幕付き上映、『HELLO! MOVIE』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド・聴覚障害者用日本語字幕付き)

公式サイト
https://kamuy-movie.com
(全国の劇場リストもあり)

84点

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 面白かった。大冒険を堪能した。「キングダム」(2019・日)と同じような面白さ、没入度。ただ、やっぱり続くのかーい。原作は読んでいないが、1回じゃ終わらないとは思った。見ていて、こんなにじっくり描いていると、2時間や3時間では終わらないなあと思っていたら、やっぱりね。この完成度で次作も作られるとしたら、大いに期待したいし、見たくなる。

 冒頭の二百三高地攻防戦から驚かされた。メインではないのに、このお金のかけ方、本気度。しっかり戦争映画として緻密に作り込まれている。そこから2年後の北海道へ飛んで話が始まる。もともと原作が優れているとしても、脚本が素晴らしい。

 黒岩勉という人は「キングダム」も書いていたのね。納得。アイヌ民族のことや言葉、文化なども興味深く、アウトドアのノウハウも説得力があって、ためになった(今後役に立つかはわからないが)。

 そして監督。久保茂昭という人はミュージック・ビデオの世界では良く知られた人だそうで、最優秀作にも5年連続で選ばれているそう。ドラマと映画では「HiGH&LOW」を手がけているのだとか。本作でその実力が遺憾なく発揮されたというところだろうか。クマに襲われて顔の皮が剥がれたとかよく聞くので、その辺もリアルだった。ただ、少女アシリパの非力で射た矢が、いくら猛毒がぬってあるとはいえ、クマの分厚い皮膚に刺さって効果があるのか気になった。

 アクション監督は「キングダム」も手がけた下村勇二。やっぱりうまい。

 特殊メイクも含めたキャラクターのメイクは、予告編やポスター・ビジュアルなどを見た時は、大げさな感じがして違和感があった。あまりに原作漫画を意識しすぎなのではないかと。ところが実際本編で見てみると、よく映画に溶け込んでいて、それほどの違和感は感じなかった。不思議。

 良かったのは、メインとなる杉本佐一を演じる山崎賢人(浮ヘ崎の異字体)とアシリパ(リは小文字)を演じる山田杏奈が良かったのはもちろんとして、第七師団の鶴見中尉を演じた玉木宏が冷血で、いっちゃってて、とても良かった。そして双子の狂人のような兵士二階堂浩平と洋平を演じた柳俊太郎が良かった。ボクが見た映画だと、「カラダ探し」(2022・日)や「るろうに剣心 最終章The Final」(2020・日)に出ていたらしいが……、本作ではしっかり記憶に残った。今後が楽しみ。コメディ・パートでは、天才脱獄犯白石を演じた矢本悠馬もよかった。いい味出してる。ちょっとCM「三太郎」の一寸法師、前野朋哉に似ていなくもない感じがあるが。

 銃は、ロシア軍がマキシム重機、モシンナガンM1891。日本軍はおそらく三十年式小銃(見た目がそっくりの三八式歩兵銃は1908年(明治41年)から配備)。拳銃は二十六年式拳銃。鶴見中尉はボーチャード・ピストル。作動していたかはわからなかったが、発火はしていた。ガン・エフェクトはBIG SHOT。

 小銃弾の弾丸部分を抜いて、雷管に銃剣の先を当てて打撃し、発生した火炎で火をおこすシーンは興味深かった。昔の映画では、こうして弾薬を爆発させて鉄格子を曲げ脱出するシーンがよくあったが、実際には爆発しないので不可能。ただ火をおこせるほどの火が出るかは試したことないので不明。火薬だけなら火を直接くっけてやれば、どうにかシュッと発火するが……。

 28糎榴弾砲の発射シーンは、たぶん3D-CGだと思うが、とてもリアルに見えたし、迫力もあった。

 公開4日目の平日初回、日比谷の劇場は25分前くらいに開場。もともとプレミアム・シアターの名が付いていたのだが、ついに中央付近の一般席2列がプレミアボックスシート2列になり、中央部はほぼ別料金のプレミアムなスクリーンとなってしまった。一般席は前方、後方、左右の周囲のみ。うむむ……

 観客層は、中高年がメイン。平日だからか、男性は高齢者が多く、女性は中年層という感じ。その後、若い女性、若い男性も少し来た。男女比は半々くらい。外国も1組。ラグジュアリー席は見えなかったが、11席×4列のプレミア席にはたぶん4人ほど。最終的には436席に5割ほどの入り。平日でこれはすごいなあ。驚いた。

 11分前くらいから曲とロゴが流れ、10分前からシネマ・チャンネル。終わって非常口案内から半暗になり、プレミアム・シアターの案内などから予告。ラストに忘れ物注意で暗くなり、足元注意、枠付きの映画泥棒、映倫と続いて、映写機の左右マスクで東宝のロゴから始まる本編へ。

 それにしても多くの人が予告が始まってもケータイ使ってるよなあ。入場チケット代わりにケータイを使う人がいるから、なおさらなんだろうな。


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