2024年1月27日(土)「哀れなるものたち」

POOR THINGS・2023・アイルランド/英/米・2時間21分(IMDbでは2時間07分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、松浦美奈/ビスタ・サイズ(IMDbでは1.66、Arricam LT、フィルム)/ドルビーATMOS(IMDbではドルビー・デジタル)
(英18指定、米R指定、日R18+指定)(ドルビーATMOS上映もあり)

公式サイト
https://www.searchlightpictures.jp/movies/poorthings
(情報少。全国の劇場リストはあり)

76点

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 エロとグロの衝撃的なファンタジー。IMDbではコメディの文字もあるがボク的にはちっとも笑えず、むしろ落ち込むというか、黙り込んでしまうような映画だった。感覚的には80%くらいがセックス。それも観念的なものではなく、リアルなセックスそのもの。そして「哀れ」というと弱いイメージもあるが、本作はどのキャラも力強くエネルギッシュに生きている。あえて言えば「残酷物語」だ。みな悲惨な人生を生きている。

 おそらく女性の成長と自立を描いたもののような気はする。ただ、ほぼセックスを通してということなのかなと。時代は街にケーブルカーが走っていたり、飛行船が飛んでいたりしているレトロ・フューチャー的なものの、ヴィクトリア朝的な感じで、男性上位時代、「フランケンシュタイン」とか「ドラキュラ」の時代。そんなとき、赤ちゃんの脳で、実験体としてイチから自由奔放に育てられた女性が、自分の自由意志で色んなことを決め、セックスも男の主導から解き放されることになったと。

 主演のエマ・ストーンは全裸でがんばっている。すべてさらけ出している感じ。俳優魂というヤツか。クレジットを見ると、プロデューサーの1人がエマ・ストーンだった。

 監督はギリシャ出身のヨルゴス・ランティモスという人。鬼才と称される人らしいが、ぼくはどの作品も見たことがなかった。アート系の作品が多いようで、しょうもたくさん受賞していて、才能溢れる人物らしい。不条理ものとかが多いようで、ボクはどうにも積極的に見たいという気にならない。脚本や製作を兼ねることも多く、本作でもプロデューサーを兼ねている。

 銃は、将軍が彫刻入りの豪華なSAAを使用。ハンマーは金色だった。

 公開2日目の初回、日比谷の劇場は20分前くらいに劇場が開き、まもなく開場した。観客層はやはり中高年がメイン、少し若い人もいた。女性は1/3ほどいたろうか。女性の話ではあるのに、まあエロ・グロが強烈だから、こんなものか。最終的には249席に満席に近い9.5割くらいの入り。8席×2列のP(プレミアム)席もすべて埋まった。すごいなあ。アカデミー賞11部門ノミネートで話題になっているし。

 シネマ・チャンネルのあと、半暗になり、CM、非常口ランプが消えて、予告。忘れ物注意、映画のようなクォリティのAXAのCMで暗くなって、足元注意、枠付き映画泥棒、映倫で、映写機の左右マスクでサーチライトのロゴから始まる本編へ。


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