意外に面白かった。パターンではありながら、ストーリーが楽しめる。しかも丁寧に撮られている印象。ただ、ちっとも怖くない。ちょっと残酷なだけ。それも直接残酷シーンは見せず、それを思わせる手法で(R指定を逃れるため?)。ホラーなのに怖くないのは残念だが、ちゃんとひねりがきいていて、まあまあ納得できる展開。 ホラー部分は音で脅かすパターン。つまりビックリだから、それが後々効いてくることもない。廃墟はただのビックリハウス。せっかく霊を持ってきたのに、怖くないとはねえ。そしてキャラに問題あり。主人公は勝手な思い込みから、よく確かめもしないでいきなりタックルして殴りかかるようなヤツ。どの仕事も長続きしないと言われる。自分の過去の失敗のために実の妹を差し出そうとする。なんてヤツだ! せめてもっと良いヤツなら、応援できるのだが。 撮影機材を見るとIMAXに対応できるArri Alexa 65で撮られていて、音響もドルビーATMOSなのに、チープな印象。メインの舞台が廃墟で、登場人物も少なめで、警察に関しては1人のみって。普通は相棒と2人でパトロールするんじゃないの。機材と有名俳優に予算を持って行かれたのだろうか。 そのキャストは、ダメ主人公が感動作「テラビシアにかける橋」(Bridge to Terabithia・2007・米)とか「ハンガーゲーム」(The Hunger Games・2012・米)のジョシュ・ハッチャーソン。そして超悪人の親戚ジェーンおばさんが「フライド・グリーン・トマト」(Fried Green Tomatoes・1991・米)のメアリー・スチュアート・マスターソン。本作でラジー賞の候補になってしまったようだが、キャラが最悪なだけで、演技は悪くなかったというかむしろ良かったと思うのだが。それよりダメダメに感じたのは、職業安定所(?)の職員らしい男を演じたのマシュー・リラード。「スクリーム」(Scream・1996・米)とか「13ゴースト」(Thir13en Ghosts・2001・加/米)とかに出ていて、ホラー系とかエキセントリックな異常者のような役の多い人。後半は良いとして、普通の職員の演技が酷かった気がするが。 銃は、警察官がベレッタ92を使用。 公開10日目のお昼に近い初回、池袋の劇場は14〜15分前に開場。観客層は若い男性がメイン。最初15人ほどいて12人が男性で、中高年は数人。女性も若い人で3人といったところ。最終的には152席に40人いったかどうか。他の劇場はもっと席数の少ない小さなスクリーンのみ。今後も増えそうな気はしないので、このサイズを維持するのはむずかしいかなと。 スクリーンはフルのビスタで開いており、10分前くらいからお店や非常口、マナーなどの案内が流れ、4〜5分前から予告。途中で半暗になり、上下マスクの映画泥棒、映倫があって、再び予告。ラストに再びマナーで暗くなり、映写機の少し上下マスクで、ユニバーサル映画の日本語表記から始まる本編へ。 |